2020から、2021へ。
毎年書いている年の振り返り。
今年のを書くために去年のものを読んで、ああやっぱり明らかにいつもと違う年だったんだ、と思った2020年。2019年は「全然行けてない」と言いながらたくさんのイベントや舞台に行っていて、今振り返れば、何が「全然」なんだって感じだ。それでも、2019年の最後「楽しく生きていきたい。楽しいのが一番だよ。」と締めくくっていて、それは案外変わっていないなとも思った。
そんなこんなで、2020年について。
コロナ
避けて通ることはできないのでまずこれから。
世界規模でこんなに生活が変わることがあるなんて、夢にも思わなかった。それこそ、戦争が起きるときくらいだろうと想像していた。それが、こんな風に、予想もしない方向から、あっという間に様変わりするなんて。
コロナの影響は、本当に人によって違う。飲食店の人の打撃と、影響を受けづらい会社員の打撃は違うし。家に高齢者や赤ちゃんがいるかとか、そういうことで随分、感覚が違う事象になった。
わたしは幸いにも影響が少ない立場にいて、一人暮らしだから身内に迷惑をかける確率も低いし、業績もあまり変わらなかった。普段たくさんおいしいお店とかに恩恵を受けているのに、いざこうなるとできることがすごく少なくて、春ごろはかなり心苦しかった。
会社との関わり方という意味で言えば、むしろいい面すらあった。信じられないほど古い環境だったのが、一気にリモートでできることが増えたり。それによって、生活は結構楽になったりした。家から出られないのは辛いときもあったけど、家事を仕事の合間に挟めることは好都合だったり、新しい働き方や生活が見えたところもあった。
こういうことを話すのにも、相手の考えを探る必要があるのが、何よりも苦しいことだったかもしれない。職業や生活で、除菌に対する考え方とかも結構違って、帰宅したら全ての服を脱いで即洗濯するという人と、手洗いうがいはしますという人では、たまに会話がしんどくなってしまう。テレワークでできることも増えてよかったよね、なんて言ったら傷つけてしまう人もきっといる。
そもそも会話ってもの自体に想像力が必要だったのだろうけど、大体同じような環境の人であればそこまで気を使ってこなかったのが、昨日まで仲が良かった人とも考えが違ったりして、「この話題はやめよう」と思うことも少なくなかった。また、ネットでも経営の悲鳴から快適なおうち時間までいろんな情報が流れてきて、だから、最終的には、誰がずるいとかあの人はこうだからとかそういうことじゃなくて、全員が「自分は自分」として何かを選択していくしかないのかな、と思った。
仕事
2019年は辛くて仕方なかったけれど、できることが増えて、少し立場が良くなって、かなり楽になった。
数字上は、読み切り掲載18本、単行本3冊、電子単行本4冊、デビュー5名。
年次を考えるとまあまあ悪くなかったかなと思うけど、もっと中心に食い込まないと全然「実績」として言えるものではないので、2021年はさらに気合を入れないといけない。
一番打撃だったのは、大好きだった上司がいなくなってしまったこと。まだいなくなって少ししか経っていないので今後どうなるかわからないけど、不在時に「今日いなくてラッキー」と一度も思わなくて、むしろいてほしいなと思っていた初めての上司だったので、それを超えるということはなかなかなさそうな気がしている。
それから、年末に新たな芽を見つけた。やりたいことが叶いそうな希望がちょっと見えてる。それは今のメインとは少し違うところにあるので、アクティブに叶えていけたらいいな。
家族
結婚生活、というのはちょっと語りづらい。相変わらず離れて住んでいる。
でも、コロナで外出しづらくなってから、しょっちゅう電話するようにはなった。それが個人的には結構嬉しい。前はわたしからかけるばっかりだったけど、最近は意味がなくてもかけてくれることもあって、これは続いたらいいのになーと思う。
お互いの誕生日と、義父の還暦祝いはひっそりとできたので良かった。誕生日に行ったステーキのお店が美味しくてずっと浮かれていた。久々においしいものを食べた!という感じだった。
家が少しずつ(と言っても遅すぎるけど)整ってきたのも嬉しい。ローテーブル、テレビ台、ラグとかが好きな感じで揃ってきた。収納がなさすぎるのでもう少し買って整理したら人を呼びたいな。
文章
去年書けなくて苦しかったと書いていた文章だけど、年末にできたトラウマをなんとか払拭して、大人向け1本と児童向け1本を新しく書いた。大人向けのは、本当にリハビリって感じの出来で、自分でも胸を張れるようなものじゃないけど、そのおかげでもう一度滑り出せたから嬉しい。
それから、15年来の相棒とミュージカルを作った。台本1本と、各ビジュアル面もやれて楽しかった。わたしは作曲はまるでできないので、できていく過程を見るのも楽しかった。ああだこうだ言いながら人と作品を作るの、やっぱり好き。コロナで低空飛行しそうな気分をだいぶ上向きにできた。久々に熱かったな。まだ結果待ちだけど、ダメでも、どこかで形にしてみたい。
ところで、文章の講座を受け始めた。でも、これがどのくらい意味があるのかまだ測りかねている。
旅行
コロナでもちろん遠出はできなかったけど、夏に伊東の方に行った。個室に露天風呂付きで、なるべく人に会わなくていい休暇。でも、気づいた。日本の観光地では、どの旅館見てもアワビ、伊勢海老が出てくる。苦手なので結構そこは辛かった。
すごく素敵そうな旅館だと思ったのだけど、行ってみたら少しイメージと違ったので、今度はもっと素敵なところに行きたい。
そうだ、コロナで外に出られなくなってからばかりなんとなく意識にあったけど、まだこんなに変わっていなかった2月、友人の結婚式で夫と一緒にシンガポールに行った。楽しかったなあ。マスクしていなくても大丈夫な時だった。
シンガポール、これで5度目だけど、何度行っても飽きない大好きな国だ。ようやく夫と行けて嬉しかった。ロング・バーだけ、生演奏をやっていなかったのがコロナの影響なのか、もうなくなってしまったのかがわからなくて残念だった……。また旅行できるようになったら行きたい。
舞台とライブ
《舞台》
- 森新太郎「メアリ・スチュアート」
- 泊まれる演劇 In Your Room「ROOM 101」(配信)
- 泊まれる演劇 In Your Room「ANOTHER DOOR」(配信)
- 長田育恵・栗山民也「ゲルニカ」
- 「中丸君の楽しい時間4」
《音楽》
- 「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」
- Creepy Nuts Online One Man Live Vol.1
- 「King Gnu Streaming Live」(配信)
- Creepy Nuts One Man Live「かつて天才だった俺たちへ」
Creepy Nuts「かつて天才だった俺たちへ」リリースライブも買ってたのに忙しくて見逃して死ぬほど悲しかった……。このアルバムは2020年一番聞いたかも。
ライブには行ってないけど、マカロニえんぴつのこの2曲もめちゃくちゃ聴いた。
《その他》
こうみると、やっぱり全体的に例年の半分くらいだった。予約してたのに中止になったのは、舞台「ねじまき鳥クロニクル」、折坂悠太さんライブ、オズワルド単独ライブ、泊まれる演劇。
生でエネルギーをもらって自分も発散してめちゃくちゃに感動してっていう世界にいかに救われていたことか。このまま開催しづらい日々が続くと多くの劇団がなくなったり劇場が潰れたりしてしまうので、そのためのクラウドファンディングとかがあればいつでも協力したい。
一方、映画はそこそこ見ていた。
《映画》
- ラストレター
- ACCA13区監察課Regards
- 9人の翻訳家
- ジョン・F・ドノヴァンの死と生
- ストーリー・オブ・マイライフ
- レイニーデイ・イン・ニューヨーク
- 今日から俺は!!劇場版
- コンフィデンスマンJP プリンセス編
- 僕の好きな女の子
- 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
- 窮鼠はチーズの夢を見る
- 海辺のエトランゼ
- スパイの妻
- ミッドナイトスワン
- 浅田家!
- 罪の声
『9人の翻訳家』とても好きだったのと、『ストーリー・オブ・マイライフ』とても良かった。ティモシー・シャラメにやられた年だった……。あと、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』あまりに凄すぎたのでぜひ。
そのほか
なんだかやっぱり、終始コロナという感じの文になってしまったけれど、いくつかそれによって起きたこともあった。
まず、母校に協力して、約10年ぶりの同級生と話す機会を得たこと。探求している人、というテーマで誰かと対談してもらえないかというオファーをもらったとき、パッと浮かんだのが彼女だった。こういうことでつながる縁があるのはすごく嬉しい。
あとは、大好きな印刷会社、レトロ印刷のスリマッカをクラウドファンディングで頼んだこと。自分が行ける範囲も、出せるお金も限界があるからこそ、自分にとって大事なもの、好きなものが見えた年でもあった。印刷はまだしてみていないので、手が空いたら挑戦したい。
着物はわりと着られた年でもあった。
シンガポールの結婚式もそうだし、冬に入った頃に行った前職の同期とのアフタヌーンティーと、12月の結婚式でも着た。あと、着物のクイーンコンテストに挑戦してみたり。これは2021も続いているのでもう少し楽しみたい。
それから、止まっていた染め物もちゃんと再開できた。
さて、2020年の目標の結果は。
- 痩せる(もうちょっと。あとキープする) →ちょっと戻っちゃったよね。
- 新しい家を過ごしやすくする →少しは。もっと完成させたい!
- 貯金を始める →以前よりは。でも浪費もしてしまった……
- 文章を書く。書き続ける。何としても。 →一応満足。
- 料理をちょっとはする →ほぼやっていない……
う〜ん。まあでも、少しずつ前進していたかな。
今年は、
- 文章を書く
- 家を人を入れられる状態にする
- この先のことや制度を調べる
- 記録をちゃんとつける
- 浪費しすぎない
にしよう。毎年同じことを言ってるな。でもいいや。
また頑張って1年生き延びます。
2020年ドラマ雑記
2016年を最後に、下書きしつつも全部書けずに公開もできないでいたドラマとアニメの感想、やれる範囲で公開していくことにします。自分のために……! 随時追加!
SUITS 2
原作視聴者からはわりと「あれは……」と言われている日本版だけど、なんだかんだ軽快なテンポのおかげでわりと楽しく見られて、シーズン2も全部見ました。でも、モチベーションのほとんどは「鈴木先生と聖澤さんどうなるの!」と女性陣の美しさだった感。新木優子さん大好きで見ているだけで幸せだった。中島裕翔さんも演技好きでいつも見ているので、キャスティングはとても見ていて幸福度高かった……!
鈴木先生しょうもないやつなんだけどどこかで応援してしまう。
鈴木先生めちゃくちゃ不器用でクズみがどんどん増してるんだけど本人がいっぱいいっぱいに頑張ってるのがわかるから嫌いになれない…可愛みがある…。
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年9月21日
安心して仕事できて聖澤さんといられたらいいのにねと応援して見てしまう#SUITS2
SUITS / スーツ season 2 (上) (フジテレビBOOKS)
- 作者:(脚本) 小峯裕之,市川貴幸,中村允俊,(ノベライズ) 蒔田陽平
- 発売日: 2020/08/27
- メディア: Kindle版
#リモラブ(10月期、水曜、日テレ)
コロナ真っ最中の恋を描いた作品。人を料理に例えて上から目線で判断し、ちゃんと恋愛ができていなかった美々がSNSでつながった全く好みじゃない人を中身で好きになる話。
とにかく「あおちゃん」という男性像が新しくて、多分松下洸平さんでなければ生まれなかったものだということがすごい。すごくイケメンなわけでも、決断力があるわけでも、男らしいわけでもなく、主人公の美々がいうところの「ステーキ」(=理想の男性)からは程遠いのに、彼の丁寧な言葉運びと、優しく話しかけてくるような声がすごく耳に心地良くて、ああ、こういう人を信じていくのっていいなと思うような、予想していなかったものに惹かれたような、不思議な作品だった。
松下洸平さん好みなわけじゃないのに、メールの朗読の声と喋り方が妙に心地良いんだよな……なんだこれ…… #リモラブ
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年11月14日
「胡椒いっぱいかけてあげます」みたいな言葉遣いがこの人ずるいんだよなあ #リモラブ
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年11月18日
「頼るのはもう僕だけにしてもらっていいですか」すごい台詞だ……青林……語り口と声がずるい人なんだよな……なんだよこれ…… #リモラブ
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月2日
とにかく青林のことをたくさんつぶやいていた……。これまでにないヒーローだったと思う。
ミッチーの「誕生日、花束だけで終わるわけないじゃん? この僕が」にクラッとした…笑#リモラブ
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月16日
あとついでにミッチーにも。笑
最後に出てきた「大桜美々を柔らかにしてくれた」というフレーズが個人的にすごく好きだった。わかる。こうして自分の棘を和らげてくれる、真面目で優しいコミュニケーションの人って本当に貴重な存在だよね……。SNSを送り合ってるシーンの言葉が素敵で、全然飽きずに見ていられるのもよかった。最初は奇抜な主人公についていけるか不安になったけど、どの登場人物にも共感できるところがあって、最後までとっても面白かった!
『姉ちゃんの恋人』(10月期、火曜9時、フジテレビ)
結構ヘビーな背景を抱えた2人が出会って恋をするという話。2020年クリスマス前にコロナが収束したという仮定の設定だった。1話だけコロナの話を入れつつ、2話以降はそんな設定だったなと忘れちゃうくらい出てこない。
特徴的だったのは、強くて優しい登場人物たち。強くて優しいに該当しないのは、途中で出てくるとある女性だけだったと思う。それくらい、「みんなこうやって、周りに優しく、強く生きられる世界がいいよね」というメッセージを感じた。全話完走直後のツイート。
#姉ちゃんの恋人 、「助け合って生きていくこと」「優しい人間関係」の見本みたいな話だったな。炎上したりとか否定したりとか中傷したりとか、そういう考えをする人がいなくて、まず相手の話を聞いて、「応援するよ」って言う人ばかり出てきた。今の日本で求められると思って作られたものなのかな
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月22日
脚本家の方の他の作品をその意識で見てなかったけど、登場人物が大事なこと言う時に丁寧に言葉を重ねる癖もずっと気になっていて、置くようにして噛み締めるように話す台詞はこびだったのもそれを意識してのことだったのかなあ #姉ちゃんの恋人
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月22日
例えば最終話も真人が「好きな人が増えると……こうやって増えると、」て重ねたりしてて、これかなり特徴的な気がする。人と人が真剣な話をしてる、親友に「あのね」って語りかける口調で全編書かれてるんだよな……
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月22日
このドラマ、ずっとセリフが「語りかけ」の形式で、同じ言葉を丁寧に置くようにして繰り返していた。今年は、コロナ以外にも、亡くなってしまった方が多かったり、ネットでいろんな言葉が投げ合われたりして、そういうところから脱するための物語を作りたい人がいたんじゃないかなという気がした。
危険なビーナス(10月期、日曜21時、TBS)
遺産をめぐって争う一家の前に、相続を受ける予定の弟の「妻」が現れ、その弟は失踪している、という東野圭吾さん原作のミステリー。この妻は本当に妻なのかという疑念、次々と起こる事件に対する疑念、夫の失踪に対する疑念、遺産の中身についての疑念と、回が進むごとに明かされることと増える謎があって飽きずに見られた。
ただ、妻夫木さん演じる主人公が、ずっと目の前に現れた「弟の妻」を恋愛的な意味で気にかけているのがどうにもしっくりこなかったところな気がする。モテずに妄想ばかりしている主人公だと、妻夫木さんが演じてもちょっと好感度が低いというのが分かった。
個人的には堀田真由さんが大好きなので見られて嬉しかった!
原作を読んでいる方のコメントを見ると、原作はもっとスッキリわかりやすいらしいので、この主人公の描かれ方も一緒に見てみたい。
ルパンの娘(10月期、木曜10時、フジテレビ)
昨年の「ルパンの娘」の続き。タイトルに「2」とかつかないのでちょっとわかりづらいけれど、完全に続きから始まっているので、見るならシーズン1からがお勧め。
泥棒一家の娘と警察一家の息子の結婚というめちゃくちゃキャッチーな設定をドラマ仕様にどんどん盛り上げていったどこもかしこも盛り盛りな作風は健在。今回はふたりに子どもがいるので、その子どもに「泥棒であることをバラしたくない」という主人公・華の願いが物語の中心に。すべてが盛り盛りでいきなり歌い出したりするのになぜかくどくなく、寒くもなく成り立っているのが相変わらずめちゃくちゃ不思議。お菓子片手に見る感じ。
今シーズンもサカナクションの仕事が良すぎたのと、映画化決定とのことでちょっとだけ楽しみ。
35歳の少女(10月期、土曜22時、日テレ)
う〜〜ん!個人的には最後まであまり好きになれなかった。25年間寝ていた少女という、外見と中身が一致していない人を演じる柴咲コウさん凄かったし、役者陣はとってもよかったのだけど、どうにも、物語の「そんなにうまくいかなくない?」というリアリティのなさが、個人的には厳しかった。
35歳の男である結人が中身中学生の主人公に恋愛感情を持ったり、そのまま肉体関係を持ったりできる気持ちがどうしても分からなかったのが一番大きかった。
#35歳の少女 、最初から最後までポジティブすぎるというか、最終話まで「夢を諦めないで!」とか「幸せな家族」とか言い続けるの無理があるんじゃないかって思い続けた作品だった……。あと何度振り返っても結人が望美に恋愛感情を持つのが解せなかった
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月12日
#35歳の少女 「望美のおかげで最高の結婚式になったよ」とかも冷静に「そんなわけなくない?」なんだよな……。みんな演技がすごくて脚本の無理がカバーされてるイメージだった。図書館の感じと最終話のパーティードレスとても素敵だったなあ
— まるこ (@lebeaujapon) 2020年12月12日
一番素晴らしかったのは主題歌のKing Gnuかな……。三文小説という題材の使い方もとても秀逸で、この曲はとっても好きになった。
バベル九朔(10月期、月曜シンドラ、日テレ)
一言で言うと「カオス」という感じのドラマ。結局我々は何を見せられていたんだ……!?
設定としては、主人公が管理人になった親族経営のビルで「バベル」と言われるパラレルワールドが展開されていて、その空間と戦う、というもの。そう書いてしまえばたったそれだけで、そのパラレルワールドは現実ではないので、不思議なことがたくさん起こる……のだけど、その不思議なことに対する説明やルールがほぼ説明されないまま展開されていくので、結構都合の良い感じにも見えて、「一体これは……?」と毎週思っていた。調べたら原作が万城目学さんということで、原作もカオスなのか非常に気になる……。
さらに不思議なのは、「一体これは……?」なのに、なぜか見続けられてしまった。最後の種明かしというか、結末は、個人的にはあんまり好みじゃない。
2019から、2020へ。
去年のこの記事が直前のエントリになってしまった。1年ぶり。
でもまあ、年に一度くらいは書いておきたい気持ちがあるので、今年もやることにします。2019の振り返り。
転職した
もう、これが何よりも大きかった。地獄だった。この9ヶ月間。
同じ業界内で転職してこんなに環境と文化が違うなんてこと、想像もしなかった。特に、制作物が外に見えやすい分野だから、お互いの会社のこともその出来でわかったような気になってしまう。
同時期に別の会社に転職した元同期が超ホワイトな生活で前職よりも多い給料をもらってる中、給料は上がったけど拘束時間もイベントも多くてQOLだだ下がりのわたし。
こうなるって誰かが教えてくれていたらこの道は選ばなかった。
時間だけじゃなく、もうマインドが嫌いだ。謎の体育会精神、強度の上下関係、古い文化。
もう最後の転職のつもりだったのになあ。いつか病気になりそう。しかも、まだ「病む奴が弱い」みたいな精神が見え隠れするから嫌になる。
でも、この地獄と引き換えにめちゃくちゃ実感したのは、前職の同期や先輩の存在、大学の同級生の存在が死ぬほどありがたいってことだった。全員軍隊みたいなところにいると、「うわーないわ」って言ってくれる内部の人がいないのが一番痛くて、そうじゃない成分をくれて、愚痴を聞いてくれるっていうのが何よりも心強かった。
持つべきものは友達。ほんとに。
結婚した
5月に「令和婚」ってやつをして、11月に挙式をした。
楽し……かったのかな。みんながお祝いしてくれて嬉しかったとかを凌駕しそうな勢いで式場の手際の悪さが辛かったので、なんだかちょっと辛い思い出になった。
途中からずっと「なんでここにお金を払わないといけないんだ」って思ってた。「式場とは多かれ少なかれみんな揉めるよ」みたいなこと言われたけど、正直そんなレベルじゃないと思う。ここも誰かがこうなるって教えてくれてたら選ばなかった。
でも、ここでもまた、それを忘れさせてくれたのはある意味友人たちで、友人たちにあらが目立たずに楽しんでもらえたならよかったな。
披露宴の最初の引き振袖マジでマジで人生最高のコーデだったのにあまり写真がなくて残念。
結婚生活……といっても、まだ同居してないので何も変わらない。
でも、「●●家」みたいな概念だの何だの、男尊女卑が見え隠れする日本の結婚文化があまり好きじゃないことだけは分かった。墓とかも。
同居もちょっと怖い。わたしは一人でやりたい趣味が多すぎるんだよな。時間をうまく使える気がしない。この年末年始だけでだいぶ試練だった。だからこれを書くのが5日になってしまった、とも言う。
前撮りは死ぬほど楽しかった。だから、そういう思い出を増やしていくようにしたい。
文章はちょっとだけ書いた
これが本当に本当に辛かった。
本当は一番優先したいのはこれなのに、新規で書けたのは6月の短編と7月の児童向けのみ。前職の時は昼休みと終業後を工夫して書いてたのに、終業後も何もない終電逃す日々だしそういう日々だとお昼にも出られないしで、全然書けなかった。なんのために生きてるのかわかんなかった。それでどうやってたかっていうと、朝の電車の中でパソコンを広げてた。なんなんだろう。
もっと書きたい。上手くなりたいし。
国内旅行
最初「旅行に行けなかった」と書きかけて、違った、2月に流氷船に乗りにオホーツク海に行ったんだった、と思い出した。前職の退職直前。あー。前は旅行とか、自分次第で行けたのにな。
今年は夏休みも取れなかった。ので旅行にも行けなかった。なんのために生きてるんだろう。こんなことばっかり書きたくないのにな。
流氷船はとってもとってもよかった。船大好き。氷は雄大でかっこよかった。
あと、夏には友達と初の星野リゾートに行った。これはいい……。でもここでも仕事の電話をして友達を待たせたりした。
舞台とライブ
今年は全然行けなかった。
《演劇・ミュージカル》
- 栗山民也「スリル・ミー」
- 森新太郎「プラトーノフ」
- シベリア少女鉄道vol.30「いつかそのアレをキメるタイム」
- 贅沢貧乏「わかろうとはおもっているけど」
- 中丸君の楽しい時間3
- 愛のレキシアター「びぎにんぐ・おぶ・らぶ」
- 根本宗子「クラッシャー女中」
- 森新太郎「奇跡の人」
- キンキーブーツ
- 岩松了「二度目の夏」
- 舞台「神の子どもたちはみな踊る」
- 吉田鋼太郎「アジアの女」
- 森新太郎「ハムレット」
- 三谷幸喜「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」
- 舞台「最貧前線」
- 栗山民也「カリギュラ」
- 月間「根本宗子」今、出来る、精一杯。
- 大人計画「キレイ」
一番良かったのは『スリル・ミー』、次が『今、出来る、精一杯。』かなあ。『最貧前線』とレキシの舞台も印象的だった。
《お笑い》
- オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー in 日本武道館
- チュートリアルライブツアー2019「奮発の黄昏」
- シソンヌライブ「huit」
- 流れ星ライブツアー2019「星幻想」
- ゆにばーす単独ライブ「今日から原は!!」
- さよならたりないふたり
- M-1準決勝ライブビューイング
- 検索ちゃんネタ祭り観覧
今年もシソンヌに行けてよかった! 去年めちゃくちゃ良かったジャルジャルは取れず。2020はオズワルドと四千頭身に行きたい。「さよならたりないふたり」はお願いだからDVDも出して……!
《音楽》
岡崎体育さんと崎山くんとKing Gnuという今年らしい感じ。2019はとにかくKing Gnuとcreepy nutsを聞き続けた年だった。
《映画》
なんだかすごく漫画か漫画っぽいラインナップ。
今年は時間がなさすぎてひたすら映画を見逃した年だった……。特に良かったのは「きみと、波にのれたら」と「殺さない彼と死なない彼女」かな。他にもあって全部語りたい。
《その他》
そのほか個人では、ベルギー大使館での同窓会と、The Ryokan Tokyo YUGAWARA に宿泊したのが楽しかったな。
さて、昨年立てていた目標は。
- 漫画を読む量を復活させる →2018よりはUP!
- 引き続き文章を書いて結果を出す →激減な上に結果も出ず。
- 部屋を綺麗にする →過去最高に汚い
- 新しい職場を楽しむ →??????
- 痩せる!!! →結婚式に向けては5キロ痩せた
というわけで2020年。
……ここで、やるぞー!と思えないのが悲しい。いくら活動的な目標を立てたって、それ以上に忙しくてできなくてイライラする未来が見える。あー。ここで一度大声で言っておこう。
2019年、つらかったーーーーー!!!
さて、その上で、2020年。
- 痩せる(もうちょっと。あとキープする)
- 新しい家を過ごしやすくする
- 貯金を始める
- 文章を書く。書き続ける。何としても。
- 料理をちょっとはする
そんな感じで楽しく生きていきたい。楽しいのが一番だよ。
今週のお題「2020年の抱負」
2018から、2019へ。
2018年が終わって、2019年が来た。
2018年はこれまでの人生の中で最も色々あった年だったので、今年も振り返っておく。
結婚を決めた
2018年2月、わたしの家の更新が来るときに、「あと2年以内に何か動きがあってまた引っ越しという事態になるならお金がもったいないから更新するし、もしないならばわたしは自分のために引っ越したい」と告げて、「じゃあ、とりあえず引越しはやめよう」という消極的な言葉をもらった結果、「それなら挨拶に来てね♡」と笑顔で押し切り、夏に実家への挨拶をして、結婚することにした。
両家の顔合わせはこれからだけど、まあ、よほどのことがないとひっくり返ることはない……と思う。付き合って6年、よく粘ったなと自分を褒めたい気持ち。
ただ、相手が一生転勤族、わたしは一生東京都いう職業なので、一緒に住むのか仕事をどうするのかというところがまだクリアになっていないのが課題。わたしはあまりにも一人暮らしを愛しているので、人と住めるのか(住んで不快にさせないかも含む)が常に少しだけ不安。
転職が決まった
去年のこの振り返りで「また転職しようかなという気持ちが出て来た」と書いていて驚いた。それを書いたときは具体案は何もなかったのだけど、2018年に、転職が決まった。ただ、次のところに行くのは2019年からなので、本当の変化はこれから。結婚も決まっただけで本当の変化はこのあとなので、2018-2019はそういうシーズンなのかなと思う。
弟が病気になった
多くを語ることはしないけれど、秋にいきなり、本当にいきなり、弟が難病になった。そんな日が来るとは思っていなかったので本当に驚いたのだけど、驚いてもどうにもならないということにもっと、ぬるっとした驚きがあった。
幸い、命に別状はないので良かったけれど、だいぶ痩せてしまったし、行動に制限があるので、やっぱり少しはしょんぼりしてしまう。
入院の暇つぶしによかろうとkindle fireを買ってあげて、わたしのアカウントで入り、わたしの持っている漫画を読み放題にしてあげたら、仕組みを理解した弟が「なぜこのタイトルはないのだ」と言って来るようになり、甘々に買い足す姉。
わたしはどこに嫁ごうと弟のことが一番大事かもしれない。
文章を書いた、たくさん
これは自分をちょっと褒めてあげたいこと。
1月からずっと、ずっと、小説を書いていた。1月、2月、3月、4月、5月、9月と小説賞に応募して、6月は映画賞にも応募した。上半期は月に1本という計算で来る日も来る日も書いていたし、下半期はペースこそ落としたものの、きちんと向き合って来た。
そのうちの1作で声をかけていただいて、今、その作品の書き直しもしている。
最初の1歩は怒りが燃料だったけれど、一度書き始めたら楽しくて、そのあとはただただ楽しいという気持ちで進んでいる。会社にも私用パソコンを持って行って、昼休みと終業後にカフェで書いたり。きっと全く仕事にならなくても書き続けると思うし、それだからこそ、仕事になったらいいなと思う。
南イタリアに行った
3回も海外に行った2017年と違い、2018年は旅行は大きな1度だけ。
でも、南イタリアは美しくて本当に楽しかった。また行きたいな。
夢の海外で浴衣を叶えられたのも嬉しかったし、景色も本当に綺麗だったし、ご飯も美味しかった。水辺が好きなので船と海の毎日なのも楽しかった。
チャットモンチーが完結した
チャットモンチーが本当に完結してしまった。
もうここで語りたいことはないけれど。
あんなに泣いた日はない。
2018.07.04.#サラバ青春.#チャットモンチー #chatmonchy #forevermychatmonchy #ilovechatmonchy #誕生 #完結
舞台とライブ
舞台とライブ、今年もたくさん行った。
《演劇・ミュージカル》
- 髑髏城の七人season月《上弦の月》
- 舞台「モブサイコ100」
- 森新太郎「TERROR テロ」
- 密やかな結晶
- 宝塚「ポーの一族」
- メリー・ポピンズ
- 地球ゴージャス「ZEROTOPIA」
- 月刊「根本宗子」紛れもなく、私が真ん中の日
- フリー・コミティッド
- 新作歌舞伎 NARUTO -ナルト-
- 福田雄一「シティ・オブ・エンジェルス」
- 舞台「モブサイコ100」~裏対裏~
- マイ・フェア・レディ
- 森新太郎「The Silver Tassie 銀杯」
- 豊饒の海
- 福田雄一「サムシング・ロッテン!」
- 月刊「根本宗子」愛犬ポリーの死、そして家族の話
めちゃくちゃ良かったのは『紛れもなく、私が真ん中の日』。『メリー・ポピンズ』と『豊饒の海』も観れて良かった。愛してやまない『モブサイコ100』はそれとは違うベクトルでよかった。
《お笑い》
大好きなシソンヌさんの舞台、今年も2回行けた。最高。野村のまさのひろが好きだ。DVDも買った!
驚いたのがジャルジャル。単独あまりにもよかった……。これも終わった勢いでDVDを予約した。最後まで仕掛け満載の、「見せる」ための舞台。こういう誰かの狙いにあふれた創作物が見たいのだ、と感動しっぱなしだった。
《音楽》
- スガシカオ「Hitori Sugar Tour2018」
- 岡崎体育「密着!謎のメンタリストRYOMAを追え!」
- ブルーノ・マーズ「24K Magic World Tour」
- KAT-TUN LIVE 2018「UNION」
- CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE
- コブクロ – WELCOME TO THE STREET 2018 ONE TIMES ONE
- KAT-TUN LIVE TOUR 2018「CAST」
- サム・スミス「The Thrill Of It All World Tour」
- Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018
- Perfume 7th Tour 2018 「FUTURE POP」
- ARASHI Anniversary Tour 5×20
復活のKAT-TUNが2回♡
それから海外アーティスト2回、どちらもすごく好きだから嬉しかったけど、サム・スミスは、隣の外国人の女の子たちがバラードの時も金切り声をあげたり一緒に歌ったりしていて全然聞こえなくて残念だった……。
宇多田ヒカルも行けてよかったし、やっぱり何よりチャットモンチー。
一番聞いたアルバムはやっぱりこれかなあ。
《展示》
谷川俊太郎展はとっても感動した。
《その他》
日本画ワークショップが楽しかったな。
さて昨年立てていた目標は。
- 文章を書く →かなりできた!ブログはサボってたけど……。
- 仕事を楽しめる環境にする →今の仕事はそれなりに楽しめるところまできたし、次の場所も掴んだ!
- 洋服をどうにかする →うーん。40%。ようやく好きなブランドを1つ見つけた。
- 部屋を綺麗に保つ →全然。引越しの時にちゃんと整理できるだろうか。
- お金の赤字をなくす! →てへ。
というわけで2019年は。
- 漫画を読む量を復活させる
- 引き続き文章を書いて結果を出す
- 部屋を綺麗にする
- 新しい職場を楽しむ
- 痩せる!!!
30歳になる年。
恥ずかしくない生活をできるようになりたい……頑張る……!
今週のお題「2019年の抱負」
個人的「 #俺マン2017 」を発表する
2017年も、漫画を愛する人たちのお祭り「俺マン」が開催されました。その年の自分の「推し漫画」をハッシュタグでつぶやくというもので、楽しすぎる集計結果も公式サイトに出てます。
http://oreman.jp/ranking/oreman2017/
それで個人的に投票したものをまた今年も振り返ろうと思います。今のわたしがお勧めする漫画たち、今年の個人的「俺マン」はこちら!
荒ぶる季節の乙女どもよ。
— まるこ (@lebeaujapon) 2017年12月31日
不滅のあなたへ
モブサイコ100
ランウェイで笑って
とんがり帽子のアトリエ
私の少年
恋のツキ
1122
東京タラレバ娘
ラララ
初めて恋をした日に読む話
ふしぎの国の有栖川さん
ふつうの恋子ちゃん
マグメル深海水族館
北北西に曇と往け
真昼のポルボロン#俺マン2017
そしてマイルール1ツイートにしてるので、入れられなかったその他。
そのほかの作品。
— まるこ (@lebeaujapon) 2017年12月31日
応天の門
ダンス・ダンス・ダンスール
ブルーピリオド
百年のワルキューレ
波よ聞いてくれ
僕に花のメランコリー
素敵な彼氏
これは愛じゃないので、よろしく
きっと愛してしまうんだ。
君とワンダーランド
KとKの未婚関係
海月姫
僕らはみんな河合荘
あげくの果てのカノン
違国日記
今年は昨年と変わらず405冊読んでいたみたいです。読み返しているものは入れてなくて、毎回最新刊を読むときは1つ前の巻から読んでるので(忘れっぽくて前の巻が思い出せない)、延べ数だと1.7倍くらいのはず。
今年一番印象に残った作品
毎年、1ツイートに収めて選ぶという意味で、最後3作品くらいはすごく迷うけど、実は「今年はこれ」っていう一番推しの1作は迷ってない気がします。今年は岡田麿里さん原作・絵本奈央さん漫画『荒ぶる季節の乙女どもよ。』。こんな作品は今までなかった。(ちなみにTOPは、2016年『兎が二匹』2015年『応天の門』2014年『神様はじめました』2013年『さよならソルシエ』2012年『ひるなかの流星』)
女の子の「性」にここまで真っ向勝負した作品は初めて見たし、それがものすごくひたむきで切実なのに、いやらしくなく清々しくて、恥ずかしいけど見覚えもある。あっぱれ! という感じのリアルな1作で舌を巻いた。1巻からすごかった。漫画読み以外に勧めるのはちょっとハードルが高いけど、これはフィクションを読むことに慣れてる人にはかなりおすすめ。
誰々と話せて嬉しかった、とか一緒に帰って楽しかった、みたいな恋に、性が混じってくのはいつだっただろう。その出会いはほとんどの人に訪れているわけで、こういう作品がわたしはすごく好き。
2017年登場のフレッシュに驚かされた作品
2017年刊行開始作品は、他にも「この手があったか」みたいな、「待ってました」みたいな、新鮮な驚きに満ちた作品が多かったように思うのだけど、中でもよかったのはこの3つ。『聲の形』の大今良時さんの新作『不滅のあなたへ』、少年誌でありながらファッションデザインがテーマの『ランウェイで笑って』、魔法正統派ファンタジー『とんがり帽子のアトリエ』。
『不滅のあなたへ』の感触はすごい。どこにもカテゴライズしづらいというか、「ああいうのね」「あれに似てる」と言いづらい。これだけ作品数が増えている今、類似しない作品はなかなか珍しいと思う。大今さんが前作に続いてすごいということだけがひたすらわかる。主人公のストーリーなのかもわからないような曖昧さで進んで行くのは、むしろ手塚作品とかを思い出す。世界そのものが主人公みたいな。
『ランウェイで笑って』は、不利な状況にいる主人公が自分のコンプレックスを乗り越えたり正しく勇気を出したりして歩んで行く、才能ぶつかる物語で、『四月は君の嘘』を真っ先に思い出した。爽やかさが似てる。ランウェイでは笑っちゃいけないルールがあるって2巻を読んで初めて知ったのだけど、こういう作品はタイトルから圧倒的に劇的だ。
『とんがり帽子のアトリエ』は、ハリーポッター級の正統派魔法ファンタジー。逆にここまで美しい形のファンタジーはむしろ珍しくて、設定や物語の運び、世界観や衣装のデザインの美しさに惚れ惚れしてしまう。
大人の恋、新章/癒しの恋愛もの
アラサー女子の恋愛もの、人生ものは、FEEL YOUNGやkissを中心にずっと何かしらヒットがあるものだけれど、2017年もとても良い年だった。
思わぬ展開を見せた『私の少年』。これは2016年も大活躍のヒットだったけれど、2017年も目が離せなかった。高野ひと深さんは傷ついた顔が上手い。それに一緒に傷ついてしまう。お願いだから幸せでいてくれ、と思ってしまうし、この圧倒的な絵の上手さよ……。
前作『あそびあい』が話題だった新田章さんの『恋のツキ』は結婚に悩む全女子の心臓を握りつぶす力を持っている。自分の前で平気でダラダラし、約束を破り、なかなか結婚せず、ちゃんとした生活をしてくれない「彼氏」にやきもきしていると、高校生男子が自分を好きだと言ってくる。そんな辛い設定があるだろうか……。彼氏に丁寧に扱われていないと感じる描写のリアルさがすごい。
そしてこのジャンルの名手渡辺ペコさんの新作『1122』。夫の浮気を容認していた主人公が、少しずつ気持ちに変化を感じていく話。性生活とか、相手との距離感とか、本当に些細なことで変わってしまう。しんどい。風俗店に行こうとするとか、結構他の恋愛もの、結婚ものとは違う新たな局面も描かれていて今後も楽しみ。
完結が素晴らしかったのは『東京タラレバ娘』。過激にも見える描写やドラマ化で賛否両論常にあったけど、個人的にはこんなにいいラストはなかった。終わりのいい作品は一生持っていたくなる。自分本位になりそうになったとき、また読み返したい。
個人的に今最も「ときめく」大人の恋愛ものは金田一蓮十郎さんの『ラララ』。なんの気持ちもないのに婚姻届にサインをしてしまって、そこから同居を始め……という妙な始まりかたのカップルが、ロジカルにお互いの存在を大事にして行く話で、このロジカルさがなんとも心地いい。わたしの理想はこれだ! といつも思う。最新6巻がとても良くて読んでいた飛行機でつい泣きそうになってしまった。
持田あきさんの『初めて恋をした日に読む話』もときめきと元気が出る作品。優等生だったけど受験に失敗した主人公が、そのまま腐ってやる気のない塾講師になって過ごしていて、そこへ不良少年がやってくる話。進路とか頑張ることとかに後悔を持ってる主人公が、彼のことを絶対に面倒見る! と決める様子が、お仕事もの的な側面としてもかっこいい。受験のこととか共感できるところも多いので優等生だった女子には刺さると思う。
高校生主人公の正統派少女漫画ではこのふたつが去年挙げた『素敵な彼氏』と並んで好き。可愛すぎる!! 男の子も可愛いんだけど女の子も可愛い。絵も綺麗でおすすめ。『ふしぎの国の有栖川さん』は天然な和風お嬢様がだんだん恋して行く様子なのだけど、男の子ものんびりで余裕があってかっこいい。逆に『ふつうの恋子ちゃん』はかっこよくて人気者の男子剣くんも意外と余裕がないところを見せるのが魅力的。
アラサーものと違って少女漫画は「こんな子いたら好きになっちゃうよ!!」と思えるところがいい。年齢が上がってくると魅力だけじゃなく苦味が出てきてしまうから、少女漫画はやっぱり癒し。
個性的な世界観でふしぎな存在感のある作品
業界的にも注目されている『ランウェイ』とかと違って、ひっそり始まって、一部の人が話題にしているという印象の作品でもたくさんいいのがあった。その中でも心に残ったのが3つ。ここを選ぶのが大変だった……。
『マグメル深海水族館』は個人的には外せない作品。深海に水族館が建設されて、ガラス張りの空間の中から、実際の深海を覗き見るという話。ダイオウイカや深海魚たちをおびき寄せたりする。深海大好きなので、ドキドキが止まらなかった。もっと見たい。
『北北西に曇と往け』はアイスランドが舞台。それだけで結構特殊だけれど、その土地の乾いた感じとか、町の人たちの距離感とか、時間の過ぎる速度が、言葉少なめなのにくっきりと立体的に描かれていて、まるで魔法のようだなと思った。映像が見える。まだ1巻しか出ていないけど、主人公の弟に関する謎も見えてきて、この後も気になる展開。
『真昼のポルボロン』は、9歳の少女「るつぼ」がある日ずっと一緒に暮らしていなかった父親の元に連れてこられる、という話。言葉を話さないるつぼは最初は父親を信頼しないのだけれど、少しずつその関係が変わっていく。妙に潤いのある作品で、どこかの町の匂い、お父さんや食べ物の匂いがする気がする。
5年に1度の殿堂入り
たまに、それこそ5年に1度くらいの頻度で、猛烈に、これは恋だなとしか言えないような、ものすごく好きな作品にであうのだけれど、久々のそれが『モブサイコ100』だった。好きすぎて感情の振れ幅がすごい。とっくに連載も刊行も始まっていたのに、アニメから入ったので知るのが遅くなった。登場人物たちにちゃんと哲学があるところ、それを設定が100%生かしているところ、言葉の使い方、その全てが完璧で読んでいるといつも泣きそうになる。何かフィクションを読むという行為に対して出会いたい感情の全てが詰まっているような作品だなと思う。モブくん大好き。全世界に胸を張って勧めたい。
そのほかで挙げたものにも触れる。本当は全部に投票したかったくらい、以下もおすすめ。
続きを読む2018年元旦は、世界で一番好きな人の熱愛報道から始まった
2018年元旦は、世界で一番好きな人の熱愛報道から始まった。
年末に、会社を辞めてテレビ業界に転職する大事な後輩と飲んで、彼女が「自分で番組作れるようになったら、先輩の好きな人呼びますから、誰ですか」って言ってくれた、その後輩からのLINEが目覚ましがわりに届いて、そこには新年の挨拶もそこそこに、Yahoo!ニュースのURLが貼られていた。
風邪でぼんやりとした頭で開いて、最初に思ったのは「ああそう」だったのに、じわじわと頭が冷えていくのを感じていた。
次に思ったのは「誰?」だった。相手の女優さん、名前だけでは誰だかわからず、「えーっなんであんな人と!」(なんて思う権利はないが)でも、「いいチョイス!」でもなく、空白がぽっかりと空いた。検索すると、何度か見たことのある顔が出てきた。ああ、知ってるといえば、知ってる。それでも好きにも嫌いにもなっていない人だった。ただ、彼女の年齢だけが、ちくりと刺さった。「1、こ下、か」
インターネット大好きなので、しばらくtwitterで反応を検索した。が、わたしの思うような反応はなかなか得られなかった。「若林やったな!」「おー、めでたい!」みたいなものが大半で、悲しんでいる人は見つけづらかった。西島秀俊や福山雅治のときとはえらい違いだ。みんなとわあわあ悲しめたら、すぐに成仏するものもあるのに。
「熱愛報道!会社休みたい!」と言いたいなと思ったけど、元旦だ、当然のように休みだった。元旦って。リア充の頂点のような発表じゃないか。そして濁すでも否定でもなく事務所も認めているなんて。本人は旅行で不在。筋書きが完璧すぎる。
いつかはこんな日が来るんだろうな、と、西島秀俊や福山雅治を見送るたびに思ってきたけど、なんだか妙にリアリティがなかった。でも、最近番組で言う「いい加減結婚したいんですよ」が増えていたのを知っていたし、それも振り返れば「なるほど」だった。
わたしはいわゆる「ガチ恋勢」ではなかった。
なかったけど、若林さんのことが、世界で一番好きだった。この10年。5年半付き合っている彼氏よりも好きだと2秒で即答できるのは若林さんだけだし、それはきっと、この先彼氏が何回変わろうと、永久欠番のように変わらないのだと思う。
お笑いを好きになったのはオードリーがきっかけだった。
えへへへ、と笑い合うふたりがかわいくて、似合っていて、そのネタに釘付けになった。こういう唯一無二の関係を得られるのが「コンビ」なのか、と思うとどんどんお笑いに興味が湧いた。体当たり気味なネタよりも、言葉を練りに練られたものが職人芸に感じられて好きだった。オードリーの他には、アンジャッシュや、サンドウィッチマン、シソンヌなんかを好きになった。
最初はふたりだったけど、ネタを作っていることがわかってから、若林さんをより好きになった。テレビで語ること、人見知り、本読みなこと、ダークな面、絶妙な不器用さ、全部全部が、「ああ、やっぱりこの人好きだなあ」と思うものだった。
朝井リョウさんや西加奈子さんと仲が良くて、チャットモンチーの曲を選ぶ若林さん。わたしの人生を変えた人たちとラジオやテレビで「好きなんです」と言って関わって行く姿を見て、いつかこんな風に一緒に仕事をしたいなと思うようになった。それが一番、自然で正攻法な出会い方に思えた。
好きな作家さんや、ミュージシャンや、ウェブで書いている遠くの誰かの仕事に惚れて、その仕事を生み出した人に会いたいから、今の仕事を選んだと思う。大きな夢のひとつだった。
そしてそれは、別にこの熱愛報道で、揺らがなくていいことだ。
いいことだけど。
だけど、
わたしはやっぱり、失恋している、んだと思う。
好きな期間が長すぎたのかもしれない。
マニアックな話も少しだけできる。
「ぽい!」って台詞を連発する、コントネタが実はかなり好きだ。「味覚」。
「芸人交換日記」も行った。最後のー、花火にー、今年もー、なったなー。始まる前、「若者のすべて」が鳴り響いていた。
「たりないふたり」のライブにも、同窓会を抜けて、会社をコソコソ早く抜けて、行った。
数年ぶりの単独ライブは、何がどう転んでもこれだけは行く!と決めて、すごい倍率で席は当たらなくて、3万円で買った。
「社会人大学人見知り学部卒業見込」のサイン会は、チケットを取るために理由をつけて会社に遅刻して、早朝から並んだ。普段ない謎の積極性が湧いて、ネットで「1枚までなら一緒に取ります」って募集した。絶対行きたい!って思う気持ちがわかりすぎて。
でも、出待ちに行ったことはない。若林さんが、「ファンです」って来られると引いちゃうんですよね、という意のことをどこかで話していたから。その理由、妙で笑ってしまう。わたしは引かれたくなかったらしい。
結婚するんだろうな。視聴者の目の前でだんだん「人見知り」から卒業して行った人が、中間地点で結婚して、きっとそのあとも面白かったりつまらなかったりしながら、ぶつくさいったり惚気たりして、それで、どんな風に死んで行くのか、それを最後まで見たいと言う気持ちと、
誰かと恋心なんて優先順位の高いものを交換しあっている若林さんなんてもう見たくないという気持ちがあるけれど、
60対40くらいで前者の方が勝つから、
わたしはこの割合を100対0にしつつ日々を過ごして、
こんな文章を書いたことなんておくびにも出さずに、若林さんと仕事で出会える日を目指そうと思う。一般人からすると、恋愛ほどではないにしても、難しすぎる道のりだけど。
あるいは、そのうち別の圧倒的な1番を目にして、スコーン、と興味の対象を移したい。
そうやってエンタメに踊らされたい。
成仏せよ!という気持ちで書いた文、長々と書いたことで、70対30位になった。
年始のネタ番組は登場なしで一旦考えずに見られたのはありがたかった!
昨日のANNは怖くてまだ聴けてないけど、気合い入れるぞ。2018年。
(KAT-TUNが再始動するしね! これだけを喜んでいたかったのに!)
2017年好きだった映画・ドラマ・アニメ!
「2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》」のお題、2018年は文章を書く機会を増やすぞーと決めたばかりなので参加します。
2017年の映画
映画は数えたら映画館で見たものだけで27本みてました。自分の中では過去最多だと思います。でも、2016年はあれもこれもよかったなぁとすぐタイトルが出るのに対して、2017年はあまり「人に語り出したくなるくらいオススメ!」っていう作品に出会えなかった年でした。それでも好きなのはあったよ。というわけで1位はこれ!
DESTINY 鎌倉ものがたり
とにかく世界観がとってもよかった! 鎌倉が半分異世界で、妖怪や小さな不思議な生物が自然に同居していたり、江ノ電が深夜だけ黄泉の国に繋がっていたり、その黄泉の国が夢みたいなワクワクするデザインだったりで、見ていてずーーっと楽しかった。
堺雅人さんと高畑充希さんの夫婦がとっても可愛くて、ああ幸せになってね、と思えるのも良い。こういう、作り込みが丁寧な「もしかしたら自分の身の回りにも不思議なことが起きるかも」と思えるファンタジー、久々に出会ったなと思えた。 アニメじゃなくて実写なのがとてもよかった。ファミリーでも恋人でも見にいけて、細かいところももっと堪能したいしまた見たいなと思わせてくれた。DVD出たら見直したい。
そのほか迷ったものも2つ紹介。
帝一の國
ただ学校で生徒会選挙をしているだけなのだけれど、そのバカバカしさと必死さの掛け合わせがものすごく絶妙で、ずっと笑えた。そして最後のオチも素晴らしかった。
こういう漫画っぽさを実写で出すのってわざとらしくなると一気にしらけると思うのだけど、最初から古屋兎丸さんの世界観が演劇調だからか、とてもしっくりきた。面白かったし菅田将暉くんは最高だし竹内涼真くんがまた株を上げていた。
もう一度見たいなあと思っていたのだけど、公開期間中に見られなかったのでDVDで見る。
帝一の國、めちゃくちゃ面白かった……!菅田将暉くんは当然のように面白くてかっこよかったけど、それ以上に竹内涼真くんが爽やかで余裕があって予想を上回って株爆上げで楽しかった、また見たーい
— lebeaujapon (@lebeaujapon) 2017年5月1日
帝一の國もう一度見たいなあ
— lebeaujapon (@lebeaujapon) 2017年5月20日
夜は短し歩けよ乙女
アニメではこれが一番よかった。監督の作る世界と森見さんの世界のマッチ度が高くてすごい。視界に入る世界がぐるぐる回るように変化していく様がこんな風に表現されるとは。登場人物がみんな愉快だし、飲んでるシーンも戦ってるシーンも演劇シーンもそそれぞれ見どころで良かった。神谷浩史さんかっこよすぎでは?
これ見た後お酒飲みたすぎて偽電気ブラン飲みに行った。美味しかった!
夜は短し歩けよ乙女、個人的には四畳半神話体系の5倍くらい好きだった。もう一度見たい
— lebeaujapon (@lebeaujapon) 2017年4月12日
そのほか「22年目の告白」も面白かった。
2017年のドラマ
ドラマ、アニメはいつも個別の記事を書いているので1番だけ。ドラマは豊作ですごく悩んだ!!
下北沢ダイハード
これよりも「好きな話」とか「出てる俳優さん的に最高」なドラマは他にもあったのだけど、ドラマとしての新しさや試みの凄さ的に最も「すごいドラマ」だと思ったのがこれだった。
下北沢を舞台に素っ頓狂な出来事が起きる、という1話完結型の連作なのだけど、毎回違う脚本家さんが書いていて、ヨーロッパ企画の上田誠さんとか、根本宗子さんとかが参加している。演出には関和亮さんなんかがいて、目当ての俳優さんがいなくても、これだけ見たくなるドラマがあるのか、という感じだった。とにかく面白かった。面白すぎて毎回「うわ〜〜〜面白い〜〜〜」って一人でジタバタしていた。
個人的に一番好きなのは第5話「最高のSEXをする女」で教訓が詰まりすぎていてこれだけ録画を消せなかった。今思えば全部取っておけば良かった! 5話以外も最高なのでぜひ見てほしい。
最近テレ東のドラマがすごく面白いので2018年も楽しみ。
2017年のアニメ
アニメも1番だけ。
魔法使いの嫁
絵の綺麗さ、声、そして音楽。アニメになって一番美しさに感動したのは2017年はこれだった。OPとEDもいいし、時々入る挿入歌も素晴らしくて、珍しくサウンドトラックが欲しいと思ったほど。「これは世界の美しさを識るための物語」というキャッチコピー通り、生き物たちも風景もすごく美しくて、この世界に行ってみたくなる。原作ファンの人にも、未読の人にもおすすめ。
そのほかの作品は整ったら紹介する!