物語のなかをぐるぐる廻る

すきなものをならべていく

漫画のこと

『東京タラレバ娘』が最高で最高で最高だった

『東京タラレバ娘』という、平成の少女漫画史に残る問題作がある。連載途中で吉高由里子さん、榮倉奈々さん、大島優子さんという女優陣を中心にしてドラマ化もされてますます話題になったけれど、そもそも1巻が出たとき、連載が始まったときから、日本中のア…

俺マン2016を発表する

今年も開催されました、俺マンガ大賞2016。 俺マンについて – #俺マン2016 特設サイト 全体の集計はこれから発表されますが、個人的に選んだものを今年も少しばかり。 わたしの俺マン2016!どーん! 兎が二匹/山うたカカフカカ/石田拓実ダンス・ダンス・ダ…

どんなモテメソッドも敵わない、いちばん確かな優しさのかたち『富士山さんは思春期』

ハラハラドキドキのバトル、どんでん返し、謎が謎を呼ぶミステリー! そういった起承転結の激しいストーリーがなくても、私たちを魅せてくれる表現がある。ひとつひとつのコマの持つ意味にときめいてしまう、じっくり、じんわりな青春未満を描いた『富士山さ…

大雑把女子と童貞男子の不毛な、いや、実りあるバトルに注目!『カレは女とシたことない。』

作品を構成する要素がパズルのようになっているとしたら、そのすべてが妙にかちっとはまるみたいな、気持ちの良い作品にたまに出会う。こんなこと言うのはおこがましいかもしれないけれど、それは作品や著者と「気が合う」みたいな感覚で、私にとって都陽子…

『夕暮れライト』みたいに、帰りたい家があるっていいな

ごくごく普通のなんの変哲もない家に生まれて、わたしにとって家は、「帰りたい場所」だったかというとそうでもない気がする。むしろ、学校とか遊びとか、「行きたい」の気持ちの方が圧倒的に強くて、思い入れのほとんどは家の外にあった。今の一人暮らしの…

大切な人に贈りたい、まるで球体のような美しく完璧な全11巻『四月は君の嘘』

「あまり知られていないニッチな作品を少しでも広めること」はレビューを書くときにやりたいことのひとつではあるけれど、名作中の名作というのもまた、書いておきたくなる。『四月は君の嘘』はそんな作品だ。まるで球体のような、美しい映画のような、完璧…

タイでの性別適合手術の一部始終のやさしい衝撃、『僕が私になるために』

話題の『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』のタイトルが多くの人に衝撃を与え興味をひいたように、「性」に関することは、やはり関心分野として強いのだと思う。同じ性別同士でも他人と同じかどうかは確かめづらいし、異性となればもっと謎だらけとい…

死にたいと願う不死身の女性が出会った特別な悲しみ――『兎が二匹』

読むたび何度でも鳥肌が立つ作品がある。山うたさんの『兎が二匹』。孤独と寂しさを抱えた二人の物語だ。 不老不死の体を持ち、398年生き続ける女・すず。彼女と同居している青年・サクの日課は、彼女の自殺ほう助だ。首を絞めたり、刺したり、サクは毎日泣…

「天国に一番近い恋」は、涙もカラフルに見えそうなくらいの元気をくれる『きょうのキラ君』

『アオハライド』『オオカミ少女と黒王子』などなど、近頃ヒット連発の少女漫画の映画化。次の作品として映画化が発表されたのがこの作品、『きょうのキラ君』。山下智久さん・小松菜奈さんによる『近キョリ恋愛』に続いて、みきもと凛先生2回目の映画化だ。…

自分に構築された考え方とひたすら向き合って戦う10年間――『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』

pixivで話題となった「レズ風俗レポ」が書籍になって刊行されました。わたしはレズビアンではないけれど、pixiv掲載当時、その響きにはなんだか惹かれる気がして、本当に興味だけで覗いたものでした。実際に体験している部分は衝撃的で、ずっと記憶に残って…

知らなかった感情と出会った瞬間を忘れないように――ものや動物の声が聴こえるイノセントファンタジー『ひそひそ』

もういつ知ったか思い出せないけれど、わたしたちが持っているひとつひとつの感情は、最初から持っているものではない気がする。「嫌だ」や「うれしい」はごく幼い頃からあったとしても、「さびしい」「やるせない」「ふがいない」「悔しい」「愛しい」なん…

世界平和に一番近いところ――なんでもないのに、ふたりならではな恋人たちの日常『眠くなる前に話したいことがあと3つあって』

昔と違って今は、雑誌に連載されればほとんどの漫画が単行本となって発売されるから、本になって嬉しい、という感覚はとても新鮮だった。出版社を通していない、バーコードのない本。迷わず通販サイトに飛んで、注文フォームを埋めていた、そんな、ずっとフ…

高校俳句部のチーム戦から目が離せない。『ぼくらの17-ON!』がとびきり熱い!

映画『ちはやふる』が大ヒットとなって、話題になっている。そんな今だからこそ紹介したい漫画作品がある。真剣に勝負することだったり、チームの中での立ち位置だったりに胸を熱くした人には是非読んでほしいのが、アキヤマ香さんの『ぼくらの17-ON!』(全4…

後悔しないためにしてほしいこと - 『orange』

高野苺さんの『orange』全5巻。途中別冊マーガレット休載から月刊アクションへの移籍があったので、再スタートしたときは本当に嬉しかった、ずっと続きを楽しみにしていた作品になりました。 高野苺「orange」特設サイト |株式会社双葉社 アクションコミック…

俺マン2015を発表する

2012年から毎年、ネルヤさん主催の「俺マン」こと俺マンガ大賞に参加しています。選定基準も参加資格もなし、自分の独断と偏見でその年の個人的なベスト漫画を共有する企画です。 タイトルだけtwitter投稿してますが、せっかくブログがあるので2015年も漫画…

お願いだからkindleで分冊売りしないでほしい

うまく言えないけどめちゃくちゃ嫌だと思ってることがあるので、今日ついに書くことにした。 kindleの分冊売りが嫌いだ! なぜだと言われると一番自分の中でわかりやすいのは「美しくないから」なのだけど、もしかしてわたしだけの感覚かもしれない。でもと…

表現することって最高だ!- 映画『バクマン。』

映画『バクマン。』見てきました、11月1日、TOHOシネマズ渋谷にて。 すごかった。良かったんだけど、良かったというより、気持ち的には「すごかった」! 終わった後心臓がどきどきいってて、息があがってびっくりした。ドンパチやるようなスリル売りの映画じ…

豪快で繊細でラブリーな恋、『ピース オブ ケイク』

映画『ピース オブ ケイク』を見てきました。滑り込みで。 めちゃくちゃ良かった!!めちゃくちゃ良かった!!!!……めちゃくちゃ良かった!!!!!! 原作漫画のほうの記事書いてから見に行きたいな〜、とか思っていたらもう公開終了ということで慌てて(…

まだ3巻以内のkindleで買えるオススメ漫画たち、2015夏

とにかく漫画を紹介したい!と思ったので、久々に漫画紹介の記事を書きます。 なんか新しいもの読みたいなーという気分に応える、始まったばかりのおすすめコミック、大きく分けて少女漫画と青年漫画で。ここでは《kindleで3巻以内》でかつ《まだ続いている…

1年謳歌してみて書く、電子書籍生活のススメ

わたしが増税前に駆け込みでiPad miniを買って電子書籍生活を始めてから1年。まだまだ周りでは「電子書籍っていいの?」って人がほとんどなので、生活の変化と電子書籍生活のメリットとポイントを書きたい。 個人的には電子書籍万歳! 元々紙の本大好きで、…

願いがまるごと叶ったみたい - 実写化映画『海月姫』

映画『海月姫』、見てきました! もうとにかく良かった! 実はバラエティで見る能年玲奈さんはあまり得意じゃなくて、考え込む時間とか天然な発言にいつも「だ、大丈夫だろうか……」と不安になってしまうのと、映画キービジュアルの能年さんの顔が思い切りす…

恋を知る、『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』

今日の14時の回、ヒューマントラストシネマ渋谷で、映画『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』を見てきました。NARUTOはここ数年追いかけられてなかったから本当は行く予定なかったのだけど、スキマスイッチ好きの友人に誘われて、せっかくなので、ということで。…

俺マン2014を発表する

2012年から毎年、ネルヤさん主催の「俺マン」こと俺マンガ大賞に参加しています。 今年のマンガの話をしよう #俺マン2014 | nelja いつもはTwitterで書くだけなのだけど、今年はせっかくブログを書いてるから、ちょっとこっちで個別タイトルにも触れて2014年…

2014年、アニメは癒しだった

2013年の年末ぎりぎりからテレビが見られる環境になったこともあって、今年は思いっきり見たい限り映像を見た年でもあった。初めてのテレビ独占生活ものすごく堪能した。テレビっ子ではないし、なくても全然生きていけるし、実際テレビなしですごした1年半以…

キュン死に!!『ラブ★コン』

大人気だったのになぜか手にしなかったもの、いくつかあるんですけどそのひとつ。中原アヤさんの『ラブ★コン』。「わたしのマーガレット展」で昔の作品も読もうと思ったのも手伝って、一気読みしました。 当時はなんか、この作品のチャームポイントの賑やか…

『わたしのマーガレット展』を受けて、愛してやまない少女漫画を挙げてゆく

展示自体には、最終日前日に滑り込むように行ってから、随分時間が経ってしまいました。「マーガレット」の50周年を記念した、ときめきの『わたしのマーガレット展』。 わたしのマーガレット展 実感したのは、わたしは日本の少女漫画史のほんの最近の部分し…

メタファーと消失の物語、『少年ノート』

3巻表紙のカラー絵がとても好き。この色彩。 書店でも色に惹かれて手に取った、『少年ノート』です。 『隠の王』の鎌谷悠希さんの作品。 ひとりの天才的なボーイソプラノの少年・ゆたかは、中学生にあがる春、河が海へ流れ着く街に引っ越してきます。 ゆたか…

恋ってこんなにいいもんだっけか。(『これは恋のはなし』)

6巻の表紙が一番すきです、チカさんの『これは恋のはなし』。 最終11巻が7月に出て完結だったのですが、電子が出たのが8/1だったのでちょっと遅れての紹介になってしまいました。はやくサイマル配信が当たり前になってほしい…! “ふたりが結ばれても結ばれな…

惹かれる理由を知りたい、に向きあうことから始まる(『藤代さん系。』)

別冊マーガレットで連載された全4巻の少女漫画、『藤代さん系。』。 ずっと紹介はしたかったんですがものすごく説明しづらくて、あっという間にひと月くらい経っちゃいました。ひと目見てまずカラーが素敵。このロゴデザインもすごく素敵。 藤代さん系、って…

1989年生まれのわたしの漫画遍歴(後編)

前回の記事 1989年生まれのわたしの漫画遍歴(前編) のつづき。 色んなものを読みつつ、このあたりからそのAの影響で電撃文庫を読むようになる。当時はまだ「オタク」とか言われるような時代じゃなくて、単純にわたしにとっては「こんなに面白いものがある…