物語のなかをぐるぐる廻る

すきなものをならべていく

好きなものにお金を払える幸福のために働いている(KAT-TUN「10Ks!」を買ったよ)

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わたしなんかが書かなくても愛も名文も溢れているので、実はKAT-TUNについて書く気はあまりなかったのだけれど、どんなものも後から自分の考えていたことを知れるのは貴重だということを思い出したので、少しだけ書いておく。

KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR “10Ks!” 会場限定 公式グッズ パンフレット

 

KAT-TUNを好きになる日がくるとはこの10年の前半は全く想像もしていなかった。むしろ好きになるまでわたしの中のKAT-TUNは、「知っているけれど好きとは思っていない人」ではなくて、「知らない人」だった。デビューのときの渋谷のスクランブル交差点に大きく貼られたReal Faceの広告はよく覚えていて、高校生で優等生だったわたしは「ひえ〜〜!」と思った。ジャニーズってこういう人たちもいるんだ!怖すぎる!!

でも、唯一親近感を感じたのはそのデビュー曲で、スガシカオで音楽を聴くようになってスガシカオで育ったわたしにとって、「夜空ノムコウ」や「ココニイルコト」なんかに続くジャニーズへの提供曲で、これがかっこよくて、怖いお兄さんたちにはあまり興味はなかったけど(むしろ不良には近づいてはいけないという認識だった)、この曲はかっこいいと思った記憶がある。

そのくらいの認識のわたしでも亀梨さんのことはさすがに知っていて、なのでこの時点でのわたしのKAT-TUNの認識は、「亀梨さんと怖いお兄さんたち」だった。

 

他のメンバーへの認識はどうだったかというと、奇しくも名前を知っていたのは赤西さんと田中さんだった。辞めるときにニュースになるし、色々な噂があったし、あまりジャニーズらしくないように見えるな〜と思って印象に残っていた。そこで止まっていたので、4人になった時点(?)くらいでも、わたしの認識は「亀梨さんと怖いお兄さんたち」だった。

その状態で、初めて自分で特定のひとりを認識することになる。それがドラマ『ファースト・クラス』で見た中丸さんだった。ファッション誌、出版関連のドラマということで、おまけに名前をなくした女神的ダークさということで、見逃すわけにはいかないと見始めて気に入ったドラマだった。そこで、どんどん強さを増していく沢尻さんと対比されるように、寄り添うように、不思議な距離感の優しい雰囲気のお兄さんが出てきた。役柄の問題もあるけどやわらかーい雰囲気で、この柔らかさはこの人の成分として滲み出てないと出せないだろうな、妙なまじめさというか、と思って気になってしまった。そこでエンドロールを見たら、まさかの「KAT-TUN」だったのだ。KAT-TUN。この人は亀梨さんではないので、必然的に「怖いお兄さんたち」の中の人であるはずなのだけど、とてもそうは見えなかった。「KAT-TUNに、こんな人いたんだ……!?」というのが、わたしが中丸さんを好きになったギャップだったと思う。

 

中丸さんいいな、が「KAT-TUN好きだ」に変わったのは、この10年の歴史からしたら遅すぎて言いづらいくらいだけれど、去年のライブ「9uarter」だった。ライブの魅力については多くの人が書いているから割愛するけれど、とにかくその演出の豪華さと緻密さと大胆さと物語性に一気にハマった。衣装や演出に「和」みたいなテーマがあるのもときめいた。

まったく予習せずに行ったので、「Real Face」と「In Fact」と「KISS KISS KISS」以外はほぼ知らない曲だったけれど、それでも飽きることなく苦なく全部聞けて楽しめるのがすごかった。ここで妙に、ああ、そりゃあスガさんの曲でデビューしたんだもんなあ、と納得したのを覚えている。ロックで、ダークで、かっこよくて、リズムの刻みがはっきりしているタイプの曲はわたしの好みで、ジャニーズがどうとか顔がとかスタイルがとかの前に、聞いていなかったのが悔しくなるくらい好きな曲のスタイルだった。その曲たちひとつひとつを4人が演出や表現や表情で魅せてくるのだ。ライブに行って完敗だハマるしかないと思ったのはPerfume以来だった。

 

今回のツアーは、東京の30日に参加した。ライブはやっぱり最高で、これまでは2回目3回目で慣れてくると最初の感動が薄れてくるパターンもあったけど、KAT-TUNはまったく薄れず、やっぱり好きだ、と思った。3人になっても足りなく感じたりしなかった。中丸さんのMCとか言葉遣いのセンスが本当に好きで、飄々としながらひねったり毒舌吐いたり、ずっと丁寧語だったり、どの場面も好きだった。

翌日の1日は、今日最終日なんだなあ、みんなどんな感じかなぁと思ったら寂しくて、朝普通にシューイチに出る中丸さんを見て、その日は妙にそわそわして、ずっと9uarterのDVDを見ていた。ライブを見たのはたった2回で、10年の最後のほうしか知らないけれど寂しくて、わ〜ほんとに好きになったんだなあ、と思った。

「自分がジャニーズを好きになる」ってことはすごく意外だったけど、これまで読んできたものとか聞いてきたものとかを振り返れば「KAT-TUNを好きになった」ってことはむしろすごくしっくりきて、それが嬉しかった。それで、うん、やっぱり買おう、と決意して、ベストアルバムの「10Ks!」を買った。CDって、この時代だとレンタルで安く聞けちゃうけれど、彼らの活動に1人分でも参加したいなぁと思った。普段節約してでもここには絶対お金を使う!って思えることは、そしてその対象がいてくれるってことは、ほんとに幸福だなあと思う。音楽ではPerfumeチャットモンチーKAT-TUNがわたしにとっての対象で、きっと販売数とか動員数とか数がものを言うこともあるはずだから、これからも応援したい。それでこそ働く意味があるというものだ!!

 

とりあえず、亀梨さんの「PとJK」が発表されたし、この充電期間の間にもメンバーをたくさん見られますように。中丸さんにもまた演技してほしいし、ずばっと言うところとか変なところでこだわりが強くて面倒臭いところとか職人気質なところとかが好きなので、いっぱいいろんなところで見たい。続報を楽しみに待ちます。

 

トピック「KAT-TUN」に寄せて。