2017から、2018へ。
2017年が終わる。なんだか色々あったような、そんなに悪くはないけど疲れたなあという感じの年だった。今年もちょっとだけ振り返っておく。
遠距離恋愛が始まった
3月に2ヶ月ぶりくらいに連絡がついたかと思ったら開口一番「転勤になった」と言われた。でもわたしは常にこの先何が起きるかを予測しているタイプなので、3月というだけで「異動の可能性はあるな」と思っていたし、電話がかかってきたのが3月末だったので「十中八九転勤だろうな」と思いながら出たので「やっぱりね」と思った。本人の方がよっぽど慌てていたと思う。
そこから引っ越しだなんだとバタバタしている合間をどうにかつかまえて少しだけ話して、それが結構大きな転機になって、今は遠距離になっている。普段自分が「恋愛している」という認識がないから、「遠距離恋愛」っていう単語はどうにもしっくりこなくてむずがゆい。1ヶ月〜2ヶ月に1度わたしが夜行バスで訪ねて行って、新幹線で帰ってくる。ちょっとしんどい! けど、何よりお金がつらい。
なぜか同時期に全く示し合わせずにミニオンにはまったため、遊びに行った時はミニオンを見ている……。笑
人生の相棒が結婚した
高校から10年以上の付き合いの相棒が結婚式を挙げた。そこで受付を任せてもらってわーい嬉しいな、と思ってそれだけで終わった気でいたら人前式のサインでも呼ばれてめちゃくちゃ驚いた。何人も友達がいる中でありがたいことだ、わたしの時はもっと面倒な大役をやってもらおう! と思ったけど予定がない。こういう小さなことが、ちょっとしたため息につながる。ものすごく焦っているか、急いでいるかというとNOだけど、のんびりでいいかというとそれもNOという微妙な年齢になった。28歳。
異動した(ちょっとだけ自分をほめたい)
5年半いた営業からついに異動した。念願叶ったと思ったら希望とはちょっと違って、環境も全然違って、6年目なのに新人みたいになってちょっとしんどい。夢には近づいたはずだけど、それが向いていたのかもわからない。
まだ3ヶ月しか経っていないのでもう少し様子を見ないといけないけど、なんでもできる人なんていないから、自分ができることを探したほうがいいのかもしれない。努力と逃走はどちらが正解か。
異動してから、ちょっとだけ自分を褒めたいなと思った。嬉しいことに、色んな人が発売された本や出張のお土産なんかを送ってくれる。信頼やつながりが、営業やってきて得られた一番の成果かもしれない。何人かの人が異動を惜しんでくれたり、頼りにしてましたって言ってくれたりして、お世辞もいっぱいあるだろうけど、そんな中でわざわざものを送ってくれたりすると、ふとしたタイミングに思い出してくれてるんだなあ、頑張ってきて良かったなと思う。わたしは自分がマメじゃないのでそういうことはできないから尚更。
わたしはこれまでの人生で、頑張ったって言えることがなくて、だけどこの5年半の営業の後半は、胸を張って頑張ったって言える初めてのことになった。
転職なんてしないぞと思って転職しようかなと思った
今年の5月くらいに、今までやりたいことが特になかった会社の中で、やりたいことの片鱗を見つけて、これまで「まあいっか、今恵まれてるし」くらいだったのが、「これが叶うならここにいるぞ」と積極的に思うようになった。まだ存在しないプロジェクトなので、実現するかはわからないけど、その可能性がなくなるまではいたいと思える。
と、思っていたのに、一方で、今の場所が希望ど真ん中ではないから、いい求人があったら転職しようか……という気持ちも出てきた。年明けに一つ見つけたので、挑戦するかもしれない。早く「ここでやっていきたい」と思えるような職場と出会いたい。
それ以外にも、やっぱり二つめ三つめの仕事か生業がないと逆に息苦しいから、何かできるように整えたい。
シンガポール、NY、サンフランシスコに行った
3回も海外に行ってしまった。
大学のサークル同期と5月にシンガポール。シンガポールはここ数年で4回目で、あまりにも行きすぎな気がするけど、一緒に行く人が違うと毎回景色も違う。ロング・バーでいつか一緒に飲みたいと思っていた友達だったのに、まさかのロング・バーが工事中だった。切ない!
6月にNY。NYは6月が暑すぎず寒すぎず過ごしやすいと聞いていたのだけど、今年はなぜかもう暑くなっていて、炎天下で具合が悪くなってしまって一緒に行った先輩に迷惑をかけた……。
NYは色んな人に「すごいところだよ」と聞いていたのだけれど、個人的には「(新宿+六本木)×2」みたいな都会だった。きっと、最先端のアートやエンターテイメントを見に行ったりすればもっと印象も違ったんだと思う。今回は一緒に行った先輩と行動の好みがあんまり一致してなかったので、好きなことが似ている人とまた行きたい。自然史博物館が良かった!
9月に高校からの友達を訪ねて行ったサンフランシスコは最高だった! これまで行った旅行先の中で1、2番目に好き。お金さえあれば住みたいって思った。海と都市の同居。可愛い乗り物。立派な橋。行ったところの全てが好きだった。友達に1から100までお世話になってしまったのでいつか別のところで役に立ちたいな。
マジでお金がやばいことになった
「うーん、ちょっと頑張ればいける気がする!」という過ちで着物沼に落ちたために、貯金がほぼなくなった。馬鹿だ。浪費の詳細は以下。まだローンが終わっていない! ローン終わるまでは、その時に買えるものしか買わないぞ……。
買った着物たちの一部。
自分で染めた浴衣も。
まだ着られてない着物もあるから色々試してコーディネートを楽しみたい。買ったからには!!
清竜人25が解散し、チャットモンチーが完結を発表した
世間の一大ニュースは安室奈美恵さんの引退だと思うけど、わたしにとってはこの二つが大きかった。惚れ込んで通ったアイドル「清竜人25」の解散と、チャットモンチーの“完結”発表。こういうことがあるたび、好きな人たちが舞台の上にいてくれるというのは、全然当たり前のことじゃないんだなと思う。好きなものをなるべく逃さないでいたい。
舞台とライブ
舞台とライブ、今年もたくさん行った。でもお金がなくて我慢したものもあった年だったので、もっと稼ぎたい……。
《演劇・ミュージカル》
- わたしは真悟×2
- キャバレー
- NODA・MAP「足跡姫〜時代錯誤冬幽霊」
- 髑髏城の七人「花」
- フェードル
- 不信〜彼女が嘘をつく理由
- エレクトラ
- Little Voice
- パレード
- ヤングフランケンシュタイン
- 秀山祭九月大歌舞伎
- デスノート THE MISICAL
- 謎の変奏曲
- ワンピース歌舞伎
- 中丸くんの楽しい時間2
- ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ
- 管理人
めちゃくちゃ良かったのは『わたしは真悟』と『ヤングフランケンシュタイン』。再演の『ワンピース歌舞伎』ももちろん良かった。わたしは真悟の記事書き損ねてしまったけど今も脳裏から離れない。
《お笑い》
- シソンヌ「six」×2
- ロッチ単独ライブ「Aロッチ」
- バイキング単独ライブ「クローバー」
- バンビーノ単独ライブ
- 性格の悪いネタをするライブ
- 相席スタート単独ライブ「aisekiST」
- オードリー ネタライブ
コント職人として最も好きなシソンヌさんの舞台、今年は2回最初から取って行った。幸せだった〜〜。バンビーノさんはネタは好きなのだけど、単独ライブとしては作品性が低くてちょっとしょんぼり。性格の悪いネタをするライブでひときわ好きだなと思った相席スタートが直後に単独だったので急遽チケット取って行けたのは良かった。オードリーは世界一好き。
《音楽》
こうしてみると清竜人だらけだけど、音楽としては岡崎体育をひたすら聞いた年だった。アルバムずっと聞いていられる。スガフェスはずっと迷っていたのだけど直前に行くことを決定。初めて好きになったアーティストがまだ現役でいてくれて節目を見られたのとても良かった。
《展示》
《その他》
フィギュアの試合を2年ぶりに見に行けたのが良かった。あと「STARS ON ICE」は奮発して3万円くらい払って最前列をとって、昇天するかと思った。
現役時代大好きでずっと応援してたキミー・マイズナーが来るのが今回行くことにした一番の理由で、でも個人のナンバーでジャンプ2回転倒しちゃって、あ〜〜って心配してたら、最後のオールキャストのナンバーでマイズナーがわたしの本当に真ん前で笑顔でポーズ決めてくれて泣きそうになった
— lebeaujapon (@lebeaujapon) 2017年1月13日
さて昨年立てていた目標は。
- 貯金する→全然、全く、できてない(むしろマイナス)
- きものを着る→結構できた!
- 料理を10こ増やす→固定で10個って数えられないけどわりかしやっていた
- 活字本を20冊以上読む→読んでない……
- 文章を書く→30%くらい。来年はもっと書くぞ。
目標を全部達成できた年がない。というわけで2018年の目標。
- 文章を書く
- 仕事を楽しめる環境にする
- 洋服をどうにかする
- 部屋を綺麗に保つ
- お金の赤字をなくす!
30歳に向けて恥ずかしくない生活をできるようになりたい……頑張る……!
今週のお題「2018年の抱負」
2016年勝手にドラマランキング
いいお題がちょうどよくやって来た!笑
今週のお題「今年中にやっておきたいこと」
わーい。このお題に甘えて、もうまる1年が過ぎようとしているけれど、めげずにドラマも投稿しておく。2018年の目標は「見終わったらすぐ書く」にしたい。 2016年のドラマは23本。後半の方が面白かった。
逃げるは恥だが役に立つ(10月期/TBS)
まずはなんと言ってもこれ。これが2016年最もすごいドラマだったことに異論がある人は少ないと思う。アラサー女子の間でまことしやかに囁かれていた「すごい漫画」が原作で、とは言っても「東京タラレバ娘」みたいな人気ではなかった作品が、ドラマ化によってここまで認知され、化けた。まずはそれが一番嬉しい。原作のテーマを損なうことなく、主張を曲げることなく、こんな夢みたいなメディアミックス。
星野源さんが童貞エンジニアの平匡さんとして完璧だっただけでなく、当初可愛すぎるのでは?と思われた新垣結衣さんも作中でも言われる「小賢しさ」がみくりそのものだった。家事代行サービスを雇うお金でわたしを「妻として」雇いませんか、という契約結婚。なんでも効率化してテキパキできてしまうけど、全てが上手くいくわけじゃないという高学歴女子にとっては夢のような展開で、そこから「そもそも結婚って?」ということを問いかけていく。まず見ていて二人の距離にニヤニヤできるし、主張も主題もしっかりあるという何度でも見たい作品。
原作もほんっとにおすすめなのでぜひ。
99.9―刑事専門弁護士―(4月期/TBS)
松本潤さんがちゃらんぽらんでマイペースに見えて腹に幾つも考えを持ってるタイプの弁護士で、香川照之さんが富と成功を重視している傲慢な弁護士で、その二人がタッグを組む……という話。二人の掛け合い、どんどん松本潤さんのペースに巻き込まれて少しずつ変わって行く香川さんが見どころで、努力家で常識人の榮倉奈々さんも加わってすごく楽しく見られた作品。シーズン2決定ということですごく嬉しい! けど榮倉奈々さんは出ないのか……。
メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断(10月期/関西テレビ)
ここ最近見た医療ものの中でも相当好きで、毎回楽しみにしていた。吉田羊さん演じる橘志帆が“手術をしない医者”として赴任してきて、彼女とそのチームの成長を描いた作品。難しい手術も成功させる名医であったはずが、なぜ手術をしなくなったのか、その秘密に隠された悲しみがだんだん解き明かされていくという要素もあって、目が離せなかった。
チームのメンバーのキャラクターも良くて、吉岡里帆さん演じる後輩も、一見愛想のない相武紗季さんの同僚もすごく良かった。またあのメンバーに会いたいと思ってしまうほど愛着が湧いたけど、続編はない綺麗な終わり方。ぼろぼろ泣いてしまった。
家売るオンナ(7月期/日本テレビ)
かなり面白かった。癒されたとかワクワクしたとかじゃなく、「面白い!」と思ったドラマは久しぶりだったかもしれない。こんなタイトルとビジュアルで、不動産とか興味ないし……と思った人がもしかしたら多いのではと思うのだけど、働いてる人、特に営業の人は、業種違っても面白く見られるはず。
どんな家でも売る、という実績を持つ北川景子さん演じる主人公は、無愛想で謎の気迫があって、とてもいい営業マンには見えないのに、淡々と、お客さんのニーズを調査し、「説得力」で家を売って行く。これは押し売りやよいしょみたいなものではなく、真っ向からの気持ちのいい営業で、例えば、人が死んだワケあり物件を売るために、死を気持ち悪がらない病院関係者にチラシを配って行ったり、家の購入を検討している家族の本当の問題を解決できる物件を探したりと、誰から見ても正しい、本当に参考になる働き方だった。工藤阿須加さんが本当に味のあるMっ気たっぷりの後輩として登場して、主人公に憧れていくのだけれど、彼と同じ目線で視聴者も虜になってしまう。
僕のヤバい妻(4月期/フジテレビ)
めちゃくちゃ面白かった!近年のサスペンスの中でもかなり好き。伊藤英明さんと木村佳乃さんの夫婦が、お互いを疑い始めて、それから刃物が出てきたり毒を盛ったりと1秒も目が離せない展開。そして終わり方が本当に綺麗でスカッとして疑問が残らない素晴らしいものだったので全ての人にお薦めしたい。
あと高橋一生さんが素晴らしくいい役なのでこちらもおすすめ。
地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子(10月期/日本テレビ)
出版が舞台ということもあって個人的にいろんな思い入れを持って見た作品でもあって、すごく好きだった。終始楽しく見られる。他人の言うことを聞かずに自分で突き進んでいくタイプって見ていてイライラすることもあるけれど、主人公のえっちゃんはたくさん悩んでいるから、そっちの共感、応援の方が強くなって、気づけばえっちゃんに巻き込まれている。元気が出る。
服がすごく可愛いのも、菅田将暉くんとの恋愛パートが可愛いのもおすすめ。こんな風に仕事できたらなあ。タイトルだけは「校閲ガール」でよかったのに……と思う。
これ以降は続きから。
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一万円選書に当選しました
ものとの出会い方がすごく難しくなってるな、と思っていたところに見かけたのが「一万円選書」でした。
最近は、書店店頭でちょっといいなと思った本もその場でAmazonレビューを見て、ちょっと星が低いと迷ってやめてしまったりするのが、自分でやっているくせになんだか嫌で、昔は直感のまま読んで無限のものに出会えたのにな、本が全部きらきらしていたのにな、とどこかうんざりしていたんです。
でも、損したくなくて、ついつい見てしまって、いやいやこれ一人の評価だぞ、偏ってる人かもしれないし、とか思う無限ループ。図書館や本屋さんに行って、ここにあるもの全部読みたい!と思った大海原みたいなイメージがたまに恋しくなる。
そんなとき、この「一万円選書」はすごく煌いて見えたんです。出会いたいのは大勢にうける本ではなくて、自分のためにあるかのような本だから。
質問に答えるカルテを書いて送ると、それを読んでおすすめを1万円分選書してくださるという、北海道のいわた書店さんのサービス。10月の募集に応募したら、当選しました。うれしい。3000件くらいの応募があるそうで、今年運を使ったことのひとつだと思います。
当選のメールがきて、そこにカルテのWordファイルがついていました。あけてみると、普段はあまり答えることのない質問が並んでます。最初は、
アンケートで大切なことは、あなた様の読書歴です。これまでに読まれた本で印象に残っている本BEST20をお教え下さい。
この語り口から素敵…! しかも、表には○△×を書く欄があって、なるほど嫌いで印象に残っているということもあるのか、と気づいたり。ほかにも、
何歳のときのじぶんが好きですか?
や
上手に歳をとることが出来ると思いますか?
といった質問があって、学生時代のプロフィール帳や就活のESを思い出して、わくわくしつつ、何日もかかって書きました。
その後、カルテをお送りすると、約1万円分のリストが書かれたメールが届きました。そのメールの文面があまりに素敵で、励まされて、つい泣きそうになってしまいました。
実は年を取るという事は、
なにか成果が見えてくるという事もありますが、出来ない事、 諦めなくてはいけない事が見えてくるという事でもあるのです。
諦めなければならない日がくることが怖いから日々走っているようなところがあるから、この文に続くいわたさんの言葉にすごく揺さぶられて、この方が選んでくださった本、ということがいっそう楽しみになりました。
読んだことがあるもの等は差し替え可能で、OKであれば振り込みをすると、すぐに本が送られてきました。わたしは読んだことがあるものはひとつもなく、自分から読む可能性があったかもと感じる本も1冊だけで、こんな機会がなければなかった出会いになりました。
全部で8の物語。わたしの文章のどの部分からいわたさんが選んでくださったのか、パッと見ただけではわからないけれど、きっと読めば、その意図が見えてくるんじゃないかな、と思うと楽しみです。あるいは、読んでみても全然意図はわからないのに、妙に引っかかったりすることもあるかもしれない。新しい本との出会いの形として、こんなわくわくは久々に味わったので、読んだらまた感想を書きます。
一緒に、いわた書店がある市の市長さんの手紙が入っていたのもうれしかった。書店ってこういう、地元になくてはならないものだったよな、と改めて思ったというか。少しだけ、もうなくなってしまった東村山市のあゆみBOOKSを思い出しました。
この中で唯一、もしかしたら自分でもいつか読んだかも、と思った本。原田マハさんはリストには挙げなかったけど、好きな作家さんなので。
あとの本はまったく守備範囲外でした。お笑いや舞台が好きだと書いたことが、太田さんの本あたりにあらわれているのかな。『11/22/63』なんかは、理由がさっぱり想像がつかない。翻訳を読む習慣もないので楽しみにします。
以下は、わたしが最初の設問に選んだ20冊。自分の人生に少なからず影響を与えた本たち。おすすめなので、こちらもぜひ。
イリヤの空、UFOの夏 文庫 全4巻 完結セット (電撃文庫)
- 作者: 秋山瑞人
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2003/08/15
- メディア: 文庫
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最後数冊はもっとしっくりくる何かがあるんじゃないかと思って悩んだので、きっと時間が経つと変わるはず。
久々に、冬休みはゆっくり読書します。
2016年の大好きなアニメたち
2017年もあと1クールしかない、ということに気がついて、だらだら書いていた2016年のアニメのまとめを焦って投稿します。今頃!笑 もうスルーしてもいい時期だけど、こういうものに後々の自分が助けられることがよくあったので。あとは今、ネットでちょっと前のでも簡単に見られるしね!(言い訳)
数えたら2016年は25本アニメを見てた。全部見たものだけでも。昨年は8本って書いてたからすごい増え方だ。こんなに楽しいことがあったから生き延びられたな。お世話になりました。
まずは1月期。
おそ松さん
前クールからの続き。もう何も言えない。「おそ松さん」がやっていた時期は、精神をこれに握られているのではというくらい動揺したりときめいたりしていた。わたしは腐女子ではないので同人まで漁ったりとかはしていなかったけど、見ながらtwitterで感想を検索して、いろんな人の動揺、全国のうねりみたいなものを見るのが楽しかった。最終回1個手前の嫌などきどきは忘れられない。なんでこんなにアニメに揺さぶられてるんだろう、と自分のことを滑稽に思うくらいだった。あらすじとかは言えない、6つ子がわちゃわちゃやっている、ただそれだけ。
1クールめのはなまるぴっぴも好きだったけど、2クールめのOPも好きだったよ。
そして相変わらずEDもいい。個々のバージョンのフルはちょっとおかしな破壊力があります。
昭和元禄落語心中
落語を愛した人々の人生と狂いの物語。落語家を声優に呼んだのではなく、声優さんが落語をされていて、さすが喋りのプロという、矜持をたっぷり見せてもらった感じだった。特に、菊比古を演じる石田彰さんの色気がすごくて、目をつぶって世界に浸ってずっと聞いていたくなるような調べだった。作品は、後半になればなるほど悔しさも愛情も膨らんで面白く感じる。
また、林原めぐみさんのOPと歌のないEDがすごく美しくてそれも見所。
暗殺教室(2期)
ついに完結。こういう、最後の最後までを綺麗に描いて終わってくれる作品、実はあまりなかったりするのですごく嬉しかった。もうお決まりのベッタベタなシーンでぼろぼろ泣いた。この作品はそれでいいのだ。子どものための漫画雑誌として走り続けるジャンプにおいて、これほど意味深い作品があるの、素敵すぎる。
全然関係ないけど、この人の声好きだなあ〜と思って聞いていたキャラクターのクレジットを見たら島崎信長さんで自分の耳GJと思った。島崎さんの声、やっぱり好き。声という意味でいうと、一松に慣れた後に殺せんせーを聞くと「福山さんたっか」ってなる。
赤髪の白雪姫(2期)
今少女漫画で最も純粋で美しいファンタジーだと思う。誰がなんと言おうとわたしはオビが好きだ。ゼンも好きだけど、オビ、幸せになってくれ……! 原作の雰囲気がとっても忠実に再現されているので、アニメから入った人はぜひ原作も読んでほしい。
僕だけがいない街
悪いことが起きるとき「リバイバル」をする体質を持つ主人公が、過去に戻って悲痛な事件を解決しようとする話。ミステリー要素たっぷり、不穏な空気が常に漂うハラハラし通しの傑作で、アニメに映画と、多様な展開も納得。
このアニメは終盤まではかなり原作に忠実で、絵が綺麗で原作より見やすいくらいだけれど、最後の結末が原作とは違います。個人的には、原作を知ってしまうと、圧倒的に原作の方が美しい終わりだと思う……ので、ぜひ原作も読んでほしい!
この作品と言えば、全体の題字と、各話のサブタイトルのフォントが話題に。こういう工夫大好きです。
おしえて!ギャル子ちゃん
普段は全く見ないジャンルなのだけど、知り合いが関わっていてチェック。1話1話は5分?くらいのショートストーリーで、日常コメディなのだけど、やたら声優さんが豪華(笑)
SUSHI POLICE
謎のショートアニメ。MXの開局20周年作品らしい。寿司を取り締まるポリスの話で、アメリカ的なアニメーション。主題歌がPerfumeとOK Goのコラボ。「こんなの寿司って言えないよ!」ていうのは日本人なら一度は思ったことあるだろうけど、それをどこまで守るべきなのか……。多様化していくのも文化だけど、ちょっと寂しいのもまた事実。まあ、これは範囲広すぎだけれど。
続いて4月期。
続きを読むミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』が笑えて楽しくて最高だった
ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』があまりによかった。あまりによかった。
めちゃくちゃ面白くて、いっぱい笑えて、こんなに満足したエンタメは久しぶりで大興奮で、終わってしばらくアドレナリンが出すぎていて走り回りたくなったくらい最高でした。
演出はコメディとシュールとパロディの名手・福田雄一さん。主演はミュージカル初挑戦の小栗旬さんで、そのほか瀧本美織さん、賀来賢人さん、ムロツヨシさんらが出演。初めて見た演目だったので何かなと思ったら、
本ミュージカルは、喜劇の天才メル・ブルックスが1974年に公開した映画「ヤング・フランケンシュタイン」を、後に彼自身がミュージカル化したという爆笑コメディミュージカル作品です。
−−公式サイト INTRODUCTIONより
とのことで、元は映画だったようなのだけれど、展開が実に舞台的、起承転結もドタバタも絶妙に飽きない頃合いで、かつミュージカルとして重要な楽曲が、1度しか聞いていないのに記憶に残るキャッチーで魅力的な曲ばかりで、逆に映画の形態が想像つかないくらい王道ど真ん中のミュージカルでした。ミュージカル好きは絶対ハマるはず。普通に劇中の歌のCD欲しい……!
ストーリーは、かつて怪物を生み出したフランケンシュタイン博士が亡くなって、脅威から解き放たれようとした村が舞台。
喜ぶ町民たちに、「まだフランケンシュタイン家には孫が生き残っている」ということが知らされ、そこにその孫フレデリックが遺品整理のために帰省する。フレデリックはフランケンシュタイン家の末裔であることを嫌がり隠して暮らしていたが、使用人たちにそそのかされ、祖父の残した実験記録に触れて、怪物を生み出すことになってしまう……というもの。
ホラー的な筋書きだけれど、概ねコメディ、ハッピーな空気なので、怖いのが苦手な人にもおすすめ。
そして!!やっぱり何と言っても小栗旬さんが!!最高すぎて!!
青いすらっとしたスーツで立っているだけで華があって、それが軽快にダンスなんてするものだから、その身のこなしやちょっとした手脚の動かし方にずっと魅了されっぱなしになります。ちょっとヘタレで情けない性格の主人公なのも最高。2枚目が情けないのはハウルも証明している通り最高なんだ……。
小栗旬さん前から好きだったけど、個人的には過去最高に好きだった……!ルパンもcrisisもかっこよかったけどそれよりダントツにツボでした。歌って踊ってるのは新鮮だったし、声がとにかくよくて、伸びやかで、すごくよかった。
かなり驚いたのは賀来賢人さんでした、上手い、上手すぎる……。舞台で拝見したのは初めてだったのでびっくりして釘付けになってしまった。
役柄も、背中にコブがあって姿勢を悪くして歩く、動きの変わった助手の男で、ドラマ『Nのために』みたいなクールでやり手的なイメージが強かったので、こんなに幅のある方だったのか、と終始ずっと感激。歌もすごく自然で上手くて、風変わりな男の癖のある声と喋り方なのに、それを再現したまま歌まで歌えるなんて。
こういう出会いがあると、この役者さんの出ている舞台をまた取ってしまう。
役者さんとしても、そして演出上のキーポイントとしてもすごかったのが大人気のムロツヨシさん。今みんなムロさんが好きで、でも面白い人枠的な、バラエティー的な印象なのかと思っていたのだけれど、「それを舞台でもそのままやっていられる」ってことはもう存在ごとすごいってことで。
出てきただけで笑えるって本当にすごくて、それが衣装とかの出オチではなくてムロさんの放つ空気感というか、登場しただけで舞台がふわっと柔らかくなるし、まだ出ないのかなって次の登場を楽しみにしちゃう。脳内に住みこまれるみたいな感覚で、あ、これは中毒になるな、と。
今回は特に一人で6役?もやっていて、それがまた、すぐに違う人をやっているってわかるからすごい。なのに、全部すぐムロさんだってわかるのもすごい。この方の主催の劇行ってみたい。
役者さんだけじゃなく、とにかく脚本がすごくて、めちゃくちゃ面白かった。映画『銀魂』を見たばかりだったので、正直こっちもあんな感じかな?と思っていたら全然違った。なにこれ全然違うじゃん!福田さん!!
でも通ってる精神としては、ギャグあり、ツッコミあり、メタ認知的なセリフも入ってるし著作権やばそうなパロディありで共通していて、その全部がすごくいいバランスでとにかく飽きなくて、全く長く感じなくて、こんなに脚本が最高なもの久々に見た気がする。グッズ売り場に売られていたら買って帰った。読んでも笑えそう。
この笑いの要素を全部書き出すことほど野暮なことはないのでしないけれど、例に出すなら、とにかく小栗旬さんがキスしようとする場面で、
「はっ俺は今いったいなにを」
「誰彼構わずキスしようとしてました!」
「20代の小栗旬みたい!」
的な会話があったりする。もちろん観客がどっと沸く。なんて爽やかなんだ……!笑
また、コメディ部分だけじゃなく、歌とダンスの盛り上がりの緩急もすごくよかった。15人くらいがフォーメーションで動いたり、ばーんと声を合わせて歌ってその場が気持ちよく決まる、みたいなシーンが欲しいところに綺麗にあって、そのひとつひとつで気持ちや場面がくるくると変化していくのが快感だった。
その雰囲気はこちらのゲネの映像がわかりやすい。
小栗旬主演 ミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」 公開ゲネプロ 瀧本美織,ムロツヨシ,賀来賢人,瀬奈じゅん
あーとにかく最高だった。この幸せだけで1、2週間生きていける。最近舞台の数減らしていたけど、これはどうしても見たくて取って本当によかった。
今回のこの『ヤングフランケンシュタイン』は、ギャグ要素的にも、かなり福田組色が強そうなので、この素敵な楽曲はそのままにまた違う演出になっているであろうブロードウェイ版なんかも見てみたい。いつか行くぞNYやヨーロッパ……。日本でも再演があったら行きたい。というかDVDにして欲しい……!
あ〜〜〜〜〜〜〜もっかい見たい!!なんなら信頼できる人を連れて行きたい!て思ったけどSOLD OUTだよ〜〜〜〜舞台はそれがつらいんだよ〜〜〜〜
— まるこ (@lebeaujapon) 2017年8月17日
ほんとこれなんですけど、一応毎日当日券が出るみたいなので!!行ける方はぜひ!!
こちらが映画版。
わたしの愛すべき「浪費」と、ちょっとお金で失敗した話
今日、友人が書いた本が出版される。
もとはこんな感じの大変おしゃれな同人誌で、その最初のテーマ「浪費」を膨らませて豪華になったのが今回の書籍という感じらしい。
夏コミ新刊「恋愛」と既刊の2冊並べてみました。
— 同人誌「悪友」(劇団雌猫) (@aku__you) 2017年8月5日
「浪費」「美意識」どちらもBOOTHで通販中ですのでお持ちでない方ぜひどうぞ! https://t.co/iwlyqzGbmQ pic.twitter.com/NBZrQ1Il4j
ここに出てくる人たちが、異常なほど何かに入れ込んだ「浪費家」に見える人もいるだろうし、幸福を自力で(?)手にした人たちに見える人もいると思う。わたしも他人事ではない。舞台に行き、映画を見て(ちなみに舞台に通うと映画が安く思える。怖い)、ライブに行き、漫画を読み本を読み暮らしている。お金がいくらあっても足りない。そんな中で、最近自分の浪費によってお金でちょっと失敗して、ひやっとしたので、『今週のお題「ちょっとコワい話」』によせて、自戒もこめて、わたしの失敗を書いておく。
着物を買ってローンを組んだ
この見出しからして多趣味なのもいい加減にしろと怒られそうだけど、いわゆる「いいもの」と「和物」と「工芸品」が好きで、前々から興味があった着物に対して、ようやく手が出せるお金がでてきたかな、と思っていた。そんなタイミングでたまたま有給でふらふらしていたときに立ち寄った着物店が、街中にある呉服屋よりもずっとおしゃれで可愛くて若い人向けで、一気に惚れ込んでしまった。
そこで着物を買ったわけだけれど、着物というのは実に必要なものが多い上、季節に左右される面が大きくて、一つ帯を買えばそれに合う帯揚げがないだの、最初はとにかくお金がいる。言い訳するわけじゃないけど、毎回決まったワンセットを着るのではなく、いくつかからその日に着たいものを選んで着る状態を作れるまでには初期投資が必要なジャンルだった。
あまり知らないまま飛び込んで(といっても祖母からもらった着物があったり、着付にもちょっと通っていた)、そのまま沼にはまっていった。お金がかかるので、ローンを組むことになる。乗せ上手の店員さんたちはみんな可愛くて、その人たちに会えるのも楽しみで、似合うものを見つけてきてくれるし、小物も色々あってとにかくめちゃくちゃ楽しかった。着物は本当に高級なものは意味不明な金額がついているので、絶対に無理な金額は「無理無理!」てなるけど、置いてあるものは「ちょっと頑張れば」っていう絶妙な感じで、そのままそこでローンを組んで、「わたし手数料嫌なのでボーナス入ったら残り払っちゃいたいんですけど」って言ったら、「もちろんできますしそのあとの手数料はかからないですよ!」って言われた。
そこでまぁあまり深く考えずに、じゃあ3ヵ月後くらいのボーナスで全部払えちゃうしOKだよね、と契約した。
ボーナス月になって残額を確認したら最初より高い金額が来た
時が流れてボーナスの月が来て、さあ残りを払ってしまおう、と、ローン会社に一括で払う残額の問い合わせをしたら、最初の元金よりも高い金額がでた。分かりやすく端数は省くと、
45万の買い物に対し、全部をローンで払うと55万になる契約
↓
数ヶ月ローンで支払う
↓
残りの月から手数料をひいた料金は単純に割れば35万円くらいかな
↓
問い合わせたら47万の支払いと言われる
↓
元金よりも上がってるじゃん!!!
と言う感じに。
いやこれはもう、ローンとかお金とか詳しい人からすれば、「あららら…」と呆れることなのだろうけど、わたしにとっては「そんなことあるの!?」という現象で、だったら最初から一括で払ったよ!!となるわけで、そこでようやく超苦手な契約書を読み、とある契約形態にたどり着いたのでした。
78文法ってなんなのさ
契約書に書いてあった魔術のような言葉、「78文法」。これがひとつの支払いの形態なのだけれど、これがどういった契約をさすのか、いくら読んでもさっぱりわからなくて、とにかくネットを検索した。いやー、お金のことってネットで検索したことなかったけど、出てくる検索結果が怖すぎる…。「友達が自滅しています」とか「もう無理です」みたいな重い言葉が並ぶ知恵袋の数々。それを見ただけでも正直ちょっと背筋がぞくっとした。
そんな中で78文法が何なのかというと、
78(しちはち)分法(rule of 78(seventy eight))とは
78(しちはち)分法(rule of 78(seventy eight))は手数料をアドオン方式で計算している場合の、当月の手数料や戻し手数料(アドオン利息は一種の利息天引き利息であるため、借り手が期中で早期完済を申し出た場合には、未経過期間相当分の利息を借り手に返済する必要があります)を計算する場合に、一般的に用いられている方式です。残存元本に対して料率を掛けて手数料を計算する残債方式を簡便にした方式であり、「疑似残債方式」とも呼ばれます。 78分法は、12ヵ月均等賦払いを仮定した場合、「債務残高の累計が78単位(1十2十……十11十12=78)になると考え、ある時点で一括返済した場合には、残りの単位が来到来債務残高の累計であるとし、当該単位分の割合から戻し手数料を算出します。--金融用語大全より
はい、わからない!!!!
こういうところが嫌なんだ契約書説明書の類は……。ぶつくさ言いたい気持ちをぐっとおさえて検索すると、色々親切に教えてくれるサイトもありました。インターネットありがとう。
- 「78文法とは?」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~jitsunen/jt_14_2.htm
- 「一括返済額を計算する方法(住宅ローン除く)」
http://homemaking.hanaranman.net/loan1866.html
このあたりにめちゃくちゃお世話になって調べていくと、どうやら、実際の金額と利息をずっと均等に払っているわけではなく、最初は利息ばかりを払っている計算になっているらしい。細かな計算まで完全には理解できなかったけど、これは最初のほうでローンをやめるのが一番損な契約ではないか……。
あの時店員さん「その後の手数料はかかりませんよ」って言ったじゃんとかずっとその店に勤めてるならすぐにボーナスで払うの損なことくらい知ってたんじゃないかなとかまぁ色々ぐるぐるしたけれど、総じて「ちゃんと読まなかった、調べなかった自分が悪い」ことに変わりはないので、今回は痛い勉強代として、最初の金額より高いお金を泣く泣く一括で支払った。
節約生活の精神的な死
というわけで、一括でいきなり大きなお金が消えたので、しばらく節約生活になった。行きたい舞台を8割我慢する生活。ライブの遠征を見ないようにする日々。死に等しい。自分の趣味が原因で完全に自分のせいなので、気づいたら借金の保証人になっていた…みたいな理不尽さは皆無なわけで、自業自得以外の何物でもないけれど、それでも日々健康に、起きて働いて寝て生きていくためには、楽しみなことって絶対に必要で、こういうことにならないためにも、計画性を身に着けようと誓ったのでした。
「お金がないよう」とめそめそしていたら、知人が北海道から鮭を送ってくれた。そのうち餓死したらお香典をちょうだいね、と言ったら、「そんなものに使うならじゃがいも送る」と言われた。いい人すぎやしないか。
ちなみにその人が「買うのが悪いんじゃない、買うために調べないのが悪い」と名言を言ってくれたので幾分か安心した。だってこういうとき、ここぞとばかりに「無駄遣い!!」と言われることのほうが多いし。その消費の中身ではなく、方法をね、わたしは考え直したい。もちろん買いすぎはよくないけども。
ローンって、言われた通り小売店で契約すると、そのお店にもお金が入る仕組みになってたりするんだね。全然知らなかったし、「うちで買うとここでご契約いただくんですけど」って言葉を1ミリも疑わなかったよ。社会怖い。車とか家とかじゃなくてよかった~~(いや、さすがにそれだけの巨額であれば調べたと信じたい)。45万に対して55万は、78文法以前に金利高すぎらしい。そうなんだ。銀行とかでローン契約して現金を持って行ったりするらしい。そうなんだ。勉強になった、本当に。
それからは、excelで毎月の収支を管理している。ちょっと成長したけど、あのひやっとする感じは忘れずにいたい。絶対に浪費をやめられないからこそ……。だって、こんなに楽しいものがあふれてるんだよ。わたしは小さい頃から本や漫画やアニメに育ててもらったから、感情の豊かさも日常の彩りもそこから教えてもらったから、そこと手を切る気はないのだった。
目標は、節度と計画性!!!あと少しの冷静さ!!!
ていうか稼ぎたいな!!!!!
ちなみに着物に関しては、思いのほかリサイクルに素敵な出会いがあるらしいことを学んだので、また着物欲が出てきたら、そういうところから行ってみることにする。
友人の書いた浪費の本は、読んだらまた感想を書きたい。
今週のお題「ちょっとコワい話」
祖父母のいない家への帰省
もう誰も住まない祖父母の家に久々に行った。
家主であった祖父と祖母は亡くなってしまい、家族に残されたのは「後片付け」と「様々な手続き」だった。それらは全て、母と母の姉妹が1ヶ月に2回ほど集合して少しずつ進めているので、わたしは普段は関係なく過ごしていて、「おばあちゃんち」に来たのは本当に久しぶりだった。なぜか「おじいちゃんち」ではなく「おばあちゃんち」になるのはなぜなのだろう。
山梨にある広い一軒家は、わたしがこれまで見てきた生活の中で、一番賑やかなものだった。客間があって、お客さんが本当に来て、ちゃんとした茶器やお茶菓子が用意されていた。孫が大集合する夏休みと年末年始は、特別な時間のように思えた。厳しいのに、全てが甘い場所。祖父母は敬語で喋ることを勧める人たちだったので、わたしは必要以上に甘えることはできなかったけれど、何かあっても許される場所であることは理解していた。
7段ある雛人形。きゅうりとなすに足をつけたお盆。屋上で見た星。祖母に当ててもらうドライヤー。畳の部屋の静けさ。庭の池。金魚と、猫よけのネット。何度各地に旅行しようと、湘南で大学生活を満喫しようと、わたしにとっての夏休みの風景の原点はここにある気がした。
買い手が決まれば、なくなってしまう家。わたしにはそれを維持する力も意思もないから、ただ静かに、母が疲弊しないかだけを見守っている。
今回も、手伝うつもりで行ったら、ただ叔母にもてなされてしまった。唯一手伝ったのが、祖父母に来ていた大量の年賀状をシュレッダーにかけることだった。故人のものを全て取っておくことはできない。母の代まで取っておけたとしても、もしわたしの代までそれが降りて来たら、もう大抵のものにわたしは価値を感じられないだろう。「かわいそう」や「申し訳ない」ではなく、生きている人が、自分で欲しいかで判断する。母たちが実家の片付けの難儀さに悩まされているのを見て、わたしが本格的に片付ける立場になったときはそうしようと、ひっそりと心に決めていく。
葉書たちは、ただ印刷のものもあれば、丁寧な筆で書かれた文字もあった。母や叔母が送ったものもあった。それらを仕分けしながら、母とぽつぽつと喋る。
「もしさ」
「はい」母の呑気な返事。
「もし、今突然お母さんが死んじゃったら、わたし、誰に連絡していいかわからないわ。友達とか、きっと知らせたい人もいるだろうけど」
「そうねえ。昔は電話帳作ってたけどないからね」
実際、祖父母は丁寧に作られた昔ながらの手書きの電話帳があったから、そういった連絡に苦労しなかったらしい。
「携帯見てよ」
「携帯ってパスワードあるし、見ても重要な人かはわからないよ」
「まあね。じゃあ4人でいいや。わたしは」
「誰」
「AとBとCとD」まあ、一度は聞いたことのある母の友人の名前。
「すでに覚えられてない、どこかに書いておいてね」
「えー」
「わたしが死んだらさ、どうする?」
「えー。昔は連絡網とかあったけど、今はないしなあ」
「だよね。でもほら、サークルとかは、誰か一人に連絡すれば、その人が回してくれるから。会社は会社に言えばいいし」
「その一人もわからん」
「じゃあMでいいよ。高校にもサークルにも回してくれる!便利!(ひどい)」
「お葬式って、来て欲しいと思うの?」
「それは、来る側の自由でいいよ、死んでるし」
ゆるい空気の中で話しながら、わたしはまだ全然、近しい人の死を想定していないし、その準備をするということは、思った以上に大変そうだ、と考えていた。人ひとりがいなくなることを迎え、乗り越えていく。実際の行動としては「手続き」だったり「片付け」だったりするのだろうけど、その労力が、その喪失の重みなのかもしれないと思った。まだそんな苦労はごめんだ。
「うわあ」
「何」
「やたら字の綺麗な人だなと思ったら、おばあちゃんの書いたものだった」
祖母は書道も絵もうまい人だった。
「あはは」
流れる筆運びの見える文字に、元気な顔が浮かんだ。夏休み、絵の描き方を教えてくれた祖母。結構厳しかった。ふと気づくと、○○してくれたな、という思い出ばかり出て来る。そろそろ、もらう側を卒業して、あげる側にならないとな、と思った。夏はあと何回来るだろうか。