「大丈夫。君の未来は絶対に明るい。」(『STAND BY ME ドラえもん』)
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夕方18時すぎに始まる回だったこともあって、会場はほとんど大人だった。始まって1ヶ月経っていたけど、満席。今日、『STAND BY ME ドラえもん』を見てきました。
友達が「今度やるドラえもん見たいんだよね」って言ってきたときわたしは存在すらしらなくて、「えぇドラえもん好きだっけ?」くらいに思ったのに、その場でiPhoneで公式サイトを見たら固まってしまった、ドラえもんがすごく可愛くてまるくて、そして泣いていたから。タイトルを見たときから「あ、ドラえもんが大人に向けられた」と思って、「見たい」じゃなく何故か「見なきゃ」と思った。
小さい頃、『のび太の結婚前夜』と『帰ってきたドラえもん』を見て、子ども心にも「名作だ!」と思った記憶がある。たびたび思い出してまた見たいなぁと思っていた。ドラえもんが泣くんだから、今回も「ああいうの」なのだ。そう直感したからその場では何もネタバレを見たくなくて公式サイトは閉じて、でもちょっとだけ見た3Dの色んな場面のカットがあまりにも鮮やかでかわいくて夢みたいで、わたしは大山のぶ代世代なんだけどそれでもこれはたぶん後悔しない、って思った。
声に対する違和感はほんの10分くらいでした。すぐに慣れたし、なんていうか、目の前にいたのはのび太くんだったししずかちゃんでスネ夫でジャイアンだった。笑い方とかへらへらする顔とか上目遣いとか、全部知ってる人だった。
結果的にはこの映画は「知ってる」のほうが圧倒的に多くて、エピソードも見たことあるものが大半だったし、それなのに、先が分かるのに、ぼろぼろ泣いた。最早ドラえもんに素直に泣かせてほしくて見てるような感じだった。
“すべての、子ども経験者のみなさんへ。”ってこの映画は言うけれど、子どもだったからあった鮮やかさより、大人になったから分かる大事さとか苦さに跳ね返ってきた。のび太くんとドラえもんは未来を変えよう! って頑張るけれど、そもそも未来が目の前に広がってるって感覚自体が久しぶりで新鮮で、その新鮮さにびっくりした。
作中でのび太が結婚する15年後にタイムマシンで行くシーンがあって、その科学で進歩した街がとても魅力的だった。元々の「現在」が原作の空気そのままで、押し入れだし畳だしあの勉強机だし空き地に土管あるしのび太くん風呂敷使うし(渋い)スネ夫ラジコンで遊んでるのに、いきなり15年であんな世界になるわけないんだけど、3Dの迫力満点で見る未来都市の空中飛行や、星空に浮かぶようなしずかちゃんの家はものすごく夢があった。
科学は自然を壊すとか、必ずしもいい面ばかりではないのがもう常識みたいになってるけれど、あの世界はすべてが両立していそうでクリーンで機能的で美しかった。あまりにも今暮らしてる世界と違って驚かされて、でもそうやって突拍子もないことを叶えようとしてきた人がいるから進歩してきたのが科学なんだ。
そして広告の入れ方がとても自然で上手でむしろ色々視線をさまよわせて探してしまった、広告なので当然賛否両論あるようだけど未来に今頑張ってる会社が残って堂々としている様子はすごく格好いいと思った。だって当然今必死にやったことが未来に生きるってことなわけだから。
そんな進歩した世界に住んでいて、しずかちゃんはのび太を選ぶ。
不安そうに、だけど、選ぶ。
子どもでも大人でも、進歩してもしてなくても、大事なものは変わらない。
ドラえもんが目を細めて頬をピンクに染めてるだけで、ものすごく幸せだと思った。そのシーンを見つけてはドラえもんの表情をよく見た。これがわたしが大好きだったドラえもんの顔だったし、幸せってこういうことだ。嬉しそう、って思うとすごく嬉しかった。
『のび太の結婚前夜』の、有名なしずかちゃんのお父さんの台詞も登場する。これほど最強な言葉もない、って最後まで一番印象に残った。「絶対」って言葉は怖いけど、こういうふうに使うのか。
「大丈夫。君の未来は絶対に明るい。」
未来は、明るい。こんなふうに言われたら一番嬉しい、きっと。未来は、明るい。
めずらしくパンフレットでもグッズでも、可愛かったまるいドラえもんを連れて帰ろうと思ったのに、公開から経ちすぎていて2つしか置いていなかった。残念……。
秦基博さんの主題歌もとても自然ですてきだった。限定ジャケットかわいい。
あと気になったのはこの書籍。
このAmazonの表紙じゃ全然わからないけれど、本の小口のところが左から見るとのび太、右から見るとドラえもんになる仕様らしい。画像検索するといっぱいでてくる。
映画「STAND BY ME ドラえもん」公式サイト でもらえる壁紙もかわいい。
[STAND BY ME ドラえもん]予告篇3 - YouTube
予告編は全部見てみたけれど、個人的には予告編より本編のほうが圧倒的に良かった。まだ劇場公開もしていて、3Dでも見られます。まだの方はぜひ。また、ドラえもんに会いに。