バブル期を生きていなくてもルパン三世はかっこよかった（映画『ルパン三世』）
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8月30日公開、実写映画『ルパン三世』を見てきました。
原作があるものって色々難しい。もうこれは宿命なので充分に承知した上で、わたしは「ルパン三世」に関しては、アニメをちらっとみたことがあるだけ、漫画原作は完全に未読、という状態で行きました。
3点とかいろいろ騒がれてますが、個人的にはそんなことは全くなかった。全然こだわりのない立場からすると普通に楽しめたし、見たかった理由の８割は小栗旬さんで見てよかったなの理由の8割も小栗旬さんだった。すごい。とにかく意味不明なほどにかっこいい。
予告編だけでその魅力はかなり伝わるのだけれど、珍しくこの映画は予告編と中身に乖離を感じないものだった。本編でもかっこよかった。別にわたしは元から小栗旬さんのファンでもなんでもなく、予告を見たとき正直びっくりした、釘付けになった、その印象がながーく本編を見ても変わらなかった、と言う感じ。堪能させてもらいました。
一番興味深かった（正しい表現かわからないけど）のは、時代いつなの？ ってことでした。この間のドラえもんを見たときにも思った。まあ、フィクションだしそんな細かな時代考証は求めていないのだけれど、すごいプログラミングによるセキュリティとかが出てくる一方で、ものすごくバブルの香りがしたから。
いい酒いい女、大金、自由。
なんか今現在、この時代の「若者」にあたるであろうわたしからすると、バブルなんて経験しないうちにはじけていたわけで、いい酒いい女、みたいなものを第一の夢としたことってないなぁと。いやーそんなものより安定だよ平穏だよみたいなところがあるのは別に見るべき夢がないからで、だからバブルの価値観かっこいい！なんて微塵も思っていなくて、その今の時代でも「この生き方かっこいいな」って思わせるには、こうするしかないだろうなって。そのくらい、キャストが演じてたものがかっこよかった。（でも、考えてみれば麦わらの一味の周辺のひとたちも“いい酒いい女”が価値ある感じで描かれてるけど受け入れられてる、やっぱりフィクションの夢のひとつって感じだ）
「あらららららら？」とかね。指で撃つ真似したりとかね。舌ぺろって出したりとか。独身OLみたいな（？）発言だけど、余裕のある男ってなんてかっこいいんだろう！！ ってことにつきるし、小栗旬さんは永遠にこういう役やっててほしい。
正直原作とどうかとかアニメとどう違うかとかはさっぱり分からないのだけど、たとえば今の25歳以下の人にとっては、ルパンって「全員知ってるもの」でありながら「ほとんど見たことないもの」でもある状態なわけで、わたしはこれで「ルパンってずっと愛されてる名作みたいだし中身も知りたいって思ってたんだけどイチからアニメシリーズひとりで見るのはなーって思ってたんだよ！」ってとこにぴったりハマった。それで見たら、こんなひといたらめちゃくちゃかっこいいよって思った。
それでかつ、たぶん原作とは違うところも結構あると思うんだけどとりあえず面白かったし原作見てみたい読んでみたいってなった。
昔の作品を生かすには、あるいは再放送以外の手段で「ルパン三世」っていうコンテンツを生かして愛されつづけるものにするって意味では、むしろほぼベストなのではと思った、だってルパンってキャラクターは今のドリームを背負ってないんだもん。それでも、かっこよかったから。
アニメシリーズに似せて似せてほぼ同じみたいな状態で作るなら再放送でいいわけだし、でもそれじゃあ何回放送してもたぶんわたしは見なかったなあ。リメイクは、ファンがいればいるほど、「自分の愛してるものと違う！」って箇所が当然生まれるわけだから、否定も絶対に出てくる、となると、この魅せ方はとてもとても狙い通りだったんじゃないかと思えてくる。
台詞も赤ジャケットも細さも身のこなしも強さも甘さも。ルパン三世が魅力的な人として生きてた映画。個人的には浅野さんも玉山さんもかっこよかったし、不二子ちゃんはやっぱり実写は無理だ！ って言われたとしても、黒木メイサさんのいい女感はすごかった。
あえて残念だったところを言えば、音楽かなあ。今回の映画の音楽も、あの有名なメインテーマがないことが気にならないくらいスリリングで聞き心地のいいものだったけれど、ルパンのテーマを聴けたらもっとおおおおって盛り上がった気がする。ルパンはストーリー知らなくてもあのテーマを知らない人はいないんじゃないか。
まだ公開中なのでDVDにはなってませんが、発売されたらまた見たいなあ。
関連商品だと今のところは以下。
原作読みたかったけど、kindle化はまだ。いつか電子化されたら読んでみます。
