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わたしの愛すべき「浪費」と、ちょっとお金で失敗した話

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今日、友人が書いた本が出版される。

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

 

もとはこんな感じの大変おしゃれな同人誌で、その最初のテーマ「浪費」を膨らませて豪華になったのが今回の書籍という感じらしい。

ここに出てくる人たちが、異常なほど何かに入れ込んだ「浪費家」に見える人もいるだろうし、幸福を自力で(?)手にした人たちに見える人もいると思う。わたしも他人事ではない。舞台に行き、映画を見て(ちなみに舞台に通うと映画が安く思える。怖い)、ライブに行き、漫画を読み本を読み暮らしている。お金がいくらあっても足りない。そんな中で、最近自分の浪費によってお金でちょっと失敗して、ひやっとしたので、『今週のお題「ちょっとコワい話」』によせて、自戒もこめて、わたしの失敗を書いておく。

 

着物を買ってローンを組んだ

この見出しからして多趣味なのもいい加減にしろと怒られそうだけど、いわゆる「いいもの」と「和物」と「工芸品」が好きで、前々から興味があった着物に対して、ようやく手が出せるお金がでてきたかな、と思っていた。そんなタイミングでたまたま有給でふらふらしていたときに立ち寄った着物店が、街中にある呉服屋よりもずっとおしゃれで可愛くて若い人向けで、一気に惚れ込んでしまった。

そこで着物を買ったわけだけれど、着物というのは実に必要なものが多い上、季節に左右される面が大きくて、一つ帯を買えばそれに合う帯揚げがないだの、最初はとにかくお金がいる。言い訳するわけじゃないけど、毎回決まったワンセットを着るのではなく、いくつかからその日に着たいものを選んで着る状態を作れるまでには初期投資が必要なジャンルだった。

あまり知らないまま飛び込んで(といっても祖母からもらった着物があったり、着付にもちょっと通っていた)、そのまま沼にはまっていった。お金がかかるので、ローンを組むことになる。乗せ上手の店員さんたちはみんな可愛くて、その人たちに会えるのも楽しみで、似合うものを見つけてきてくれるし、小物も色々あってとにかくめちゃくちゃ楽しかった。着物は本当に高級なものは意味不明な金額がついているので、絶対に無理な金額は「無理無理!」てなるけど、置いてあるものは「ちょっと頑張れば」っていう絶妙な感じで、そのままそこでローンを組んで、「わたし手数料嫌なのでボーナス入ったら残り払っちゃいたいんですけど」って言ったら、「もちろんできますしそのあとの手数料はかからないですよ!」って言われた。

そこでまぁあまり深く考えずに、じゃあ3ヵ月後くらいのボーナスで全部払えちゃうしOKだよね、と契約した。

ボーナス月になって残額を確認したら最初より高い金額が来た

時が流れてボーナスの月が来て、さあ残りを払ってしまおう、と、ローン会社に一括で払う残額の問い合わせをしたら、最初の元金よりも高い金額がでた。分かりやすく端数は省くと、

45万の買い物に対し、全部をローンで払うと55万になる契約

数ヶ月ローンで支払う

残りの月から手数料をひいた料金は単純に割れば35万円くらいかな

問い合わせたら47万の支払いと言われる

元金よりも上がってるじゃん!!!

と言う感じに。

いやこれはもう、ローンとかお金とか詳しい人からすれば、「あららら…」と呆れることなのだろうけど、わたしにとっては「そんなことあるの!?」という現象で、だったら最初から一括で払ったよ!!となるわけで、そこでようやく超苦手な契約書を読み、とある契約形態にたどり着いたのでした。

78文法ってなんなのさ

契約書に書いてあった魔術のような言葉、「78文法」。これがひとつの支払いの形態なのだけれど、これがどういった契約をさすのか、いくら読んでもさっぱりわからなくて、とにかくネットを検索した。いやー、お金のことってネットで検索したことなかったけど、出てくる検索結果が怖すぎる…。「友達が自滅しています」とか「もう無理です」みたいな重い言葉が並ぶ知恵袋の数々。それを見ただけでも正直ちょっと背筋がぞくっとした。

そんな中で78文法が何なのかというと、

78(しちはち)分法(rule of 78(seventy eight))とは
78(しちはち)分法(rule of 78(seventy eight))は手数料をアドオン方式で計算している場合の、当月の手数料や戻し手数料(アドオン利息は一種の利息天引き利息であるため、借り手が期中で早期完済を申し出た場合には、未経過期間相当分の利息を借り手に返済する必要があります)を計算する場合に、一般的に用いられている方式です。残存元本に対して料率を掛けて手数料を計算する残債方式を簡便にした方式であり、「疑似残債方式」とも呼ばれます。 78分法は、12ヵ月均等賦払いを仮定した場合、「債務残高の累計が78単位(1十2十……十11十12=78)になると考え、ある時点で一括返済した場合には、残りの単位が来到来債務残高の累計であるとし、当該単位分の割合から戻し手数料を算出します。

--金融用語大全より

78(しちはち)分法(rule of 78(seventy eight))とは:金融用語大全

はい、わからない!!!!

こういうところが嫌なんだ契約書説明書の類は……。ぶつくさ言いたい気持ちをぐっとおさえて検索すると、色々親切に教えてくれるサイトもありました。インターネットありがとう。

  • 「78文法とは?」

http://www2s.biglobe.ne.jp/~jitsunen/jt_14_2.htm

  • 「一括返済額を計算する方法(住宅ローン除く)」

http://homemaking.hanaranman.net/loan1866.html

このあたりにめちゃくちゃお世話になって調べていくと、どうやら、実際の金額と利息をずっと均等に払っているわけではなく、最初は利息ばかりを払っている計算になっているらしい。細かな計算まで完全には理解できなかったけど、これは最初のほうでローンをやめるのが一番損な契約ではないか……。

あの時店員さん「その後の手数料はかかりませんよ」って言ったじゃんとかずっとその店に勤めてるならすぐにボーナスで払うの損なことくらい知ってたんじゃないかなとかまぁ色々ぐるぐるしたけれど、総じて「ちゃんと読まなかった、調べなかった自分が悪い」ことに変わりはないので、今回は痛い勉強代として、最初の金額より高いお金を泣く泣く一括で支払った。

節約生活の精神的な死

というわけで、一括でいきなり大きなお金が消えたので、しばらく節約生活になった。行きたい舞台を8割我慢する生活。ライブの遠征を見ないようにする日々。死に等しい。自分の趣味が原因で完全に自分のせいなので、気づいたら借金の保証人になっていた…みたいな理不尽さは皆無なわけで、自業自得以外の何物でもないけれど、それでも日々健康に、起きて働いて寝て生きていくためには、楽しみなことって絶対に必要で、こういうことにならないためにも、計画性を身に着けようと誓ったのでした。

「お金がないよう」とめそめそしていたら、知人が北海道から鮭を送ってくれた。そのうち餓死したらお香典をちょうだいね、と言ったら、「そんなものに使うならじゃがいも送る」と言われた。いい人すぎやしないか。

ちなみにその人が「買うのが悪いんじゃない、買うために調べないのが悪い」と名言を言ってくれたので幾分か安心した。だってこういうとき、ここぞとばかりに「無駄遣い!!」と言われることのほうが多いし。その消費の中身ではなく、方法をね、わたしは考え直したい。もちろん買いすぎはよくないけども。

ローンって、言われた通り小売店で契約すると、そのお店にもお金が入る仕組みになってたりするんだね。全然知らなかったし、「うちで買うとここでご契約いただくんですけど」って言葉を1ミリも疑わなかったよ。社会怖い。車とか家とかじゃなくてよかった~~(いや、さすがにそれだけの巨額であれば調べたと信じたい)。45万に対して55万は、78文法以前に金利高すぎらしい。そうなんだ。銀行とかでローン契約して現金を持って行ったりするらしい。そうなんだ。勉強になった、本当に。

それからは、excelで毎月の収支を管理している。ちょっと成長したけど、あのひやっとする感じは忘れずにいたい。絶対に浪費をやめられないからこそ……。だって、こんなに楽しいものがあふれてるんだよ。わたしは小さい頃から本や漫画やアニメに育ててもらったから、感情の豊かさも日常の彩りもそこから教えてもらったから、そこと手を切る気はないのだった。

目標は、節度と計画性!!!あと少しの冷静さ!!!

ていうか稼ぎたいな!!!!!

 

ちなみに着物に関しては、思いのほかリサイクルに素敵な出会いがあるらしいことを学んだので、また着物欲が出てきたら、そういうところから行ってみることにする。

matome.naver.jp

 

友人の書いた浪費の本は、読んだらまた感想を書きたい。

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

浪費図鑑―悪友たちのないしょ話― (コミックス単行本)

 

 

 

今週のお題「ちょっとコワい話」