物語のなかをぐるぐる廻る

すきなものをならべていく

ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』が笑えて楽しくて最高だった

スポンサーリンク

ミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』があまりによかった。あまりによかった。
めちゃくちゃ面白くて、いっぱい笑えて、こんなに満足したエンタメは久しぶりで大興奮で、終わってしばらくアドレナリンが出すぎていて走り回りたくなったくらい最高でした。

f:id:le_beaujapon:20170820220932p:plain

演出はコメディとシュールとパロディの名手・福田雄一さん。主演はミュージカル初挑戦の小栗旬さんで、そのほか瀧本美織さん、賀来賢人さん、ムロツヨシさんらが出演。初めて見た演目だったので何かなと思ったら、

本ミュージカルは、喜劇の天才メル・ブルックスが1974年に公開した映画「ヤング・フランケンシュタイン」を、後に彼自身がミュージカル化したという爆笑コメディミュージカル作品です。

−−公式サイト INTRODUCTIONより

とのことで、元は映画だったようなのだけれど、展開が実に舞台的、起承転結もドタバタも絶妙に飽きない頃合いで、かつミュージカルとして重要な楽曲が、1度しか聞いていないのに記憶に残るキャッチーで魅力的な曲ばかりで、逆に映画の形態が想像つかないくらい王道ど真ん中のミュージカルでした。ミュージカル好きは絶対ハマるはず。普通に劇中の歌のCD欲しい……!

ストーリーは、かつて怪物を生み出したフランケンシュタイン博士が亡くなって、脅威から解き放たれようとした村が舞台。
喜ぶ町民たちに、「まだフランケンシュタイン家には孫が生き残っている」ということが知らされ、そこにその孫フレデリックが遺品整理のために帰省する。フレデリックフランケンシュタイン家の末裔であることを嫌がり隠して暮らしていたが、使用人たちにそそのかされ、祖父の残した実験記録に触れて、怪物を生み出すことになってしまう……というもの。
ホラー的な筋書きだけれど、概ねコメディ、ハッピーな空気なので、怖いのが苦手な人にもおすすめ。

 

そして!!やっぱり何と言っても小栗旬さんが!!最高すぎて!!
青いすらっとしたスーツで立っているだけで華があって、それが軽快にダンスなんてするものだから、その身のこなしやちょっとした手脚の動かし方にずっと魅了されっぱなしになります。ちょっとヘタレで情けない性格の主人公なのも最高。2枚目が情けないのはハウルも証明している通り最高なんだ……。
小栗旬さん前から好きだったけど、個人的には過去最高に好きだった……!ルパンもcrisisもかっこよかったけどそれよりダントツにツボでした。歌って踊ってるのは新鮮だったし、声がとにかくよくて、伸びやかで、すごくよかった。

 

かなり驚いたのは賀来賢人さんでした、上手い、上手すぎる……。舞台で拝見したのは初めてだったのでびっくりして釘付けになってしまった。
役柄も、背中にコブがあって姿勢を悪くして歩く、動きの変わった助手の男で、ドラマ『Nのために』みたいなクールでやり手的なイメージが強かったので、こんなに幅のある方だったのか、と終始ずっと感激。歌もすごく自然で上手くて、風変わりな男の癖のある声と喋り方なのに、それを再現したまま歌まで歌えるなんて。
こういう出会いがあると、この役者さんの出ている舞台をまた取ってしまう。

役者さんとしても、そして演出上のキーポイントとしてもすごかったのが大人気のムロツヨシさん。今みんなムロさんが好きで、でも面白い人枠的な、バラエティー的な印象なのかと思っていたのだけれど、「それを舞台でもそのままやっていられる」ってことはもう存在ごとすごいってことで。
出てきただけで笑えるって本当にすごくて、それが衣装とかの出オチではなくてムロさんの放つ空気感というか、登場しただけで舞台がふわっと柔らかくなるし、まだ出ないのかなって次の登場を楽しみにしちゃう。脳内に住みこまれるみたいな感覚で、あ、これは中毒になるな、と。
今回は特に一人で6役?もやっていて、それがまた、すぐに違う人をやっているってわかるからすごい。なのに、全部すぐムロさんだってわかるのもすごい。この方の主催の劇行ってみたい。

 

役者さんだけじゃなく、とにかく脚本がすごくて、めちゃくちゃ面白かった。映画『銀魂』を見たばかりだったので、正直こっちもあんな感じかな?と思っていたら全然違った。なにこれ全然違うじゃん!福田さん!!
でも通ってる精神としては、ギャグあり、ツッコミあり、メタ認知的なセリフも入ってるし著作権やばそうなパロディありで共通していて、その全部がすごくいいバランスでとにかく飽きなくて、全く長く感じなくて、こんなに脚本が最高なもの久々に見た気がする。グッズ売り場に売られていたら買って帰った。読んでも笑えそう。
この笑いの要素を全部書き出すことほど野暮なことはないのでしないけれど、例に出すなら、とにかく小栗旬さんがキスしようとする場面で、
「はっ俺は今いったいなにを」
「誰彼構わずキスしようとしてました!」
「20代の小栗旬みたい!」
的な会話があったりする。もちろん観客がどっと沸く。なんて爽やかなんだ……!笑

また、コメディ部分だけじゃなく、歌とダンスの盛り上がりの緩急もすごくよかった。15人くらいがフォーメーションで動いたり、ばーんと声を合わせて歌ってその場が気持ちよく決まる、みたいなシーンが欲しいところに綺麗にあって、そのひとつひとつで気持ちや場面がくるくると変化していくのが快感だった。

その雰囲気はこちらのゲネの映像がわかりやすい。


小栗旬主演 ミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」 公開ゲネプロ 瀧本美織,ムロツヨシ,賀来賢人,瀬奈じゅん

 

あーとにかく最高だった。この幸せだけで1、2週間生きていける。最近舞台の数減らしていたけど、これはどうしても見たくて取って本当によかった。
今回のこの『ヤングフランケンシュタイン』は、ギャグ要素的にも、かなり福田組色が強そうなので、この素敵な楽曲はそのままにまた違う演出になっているであろうブロードウェイ版なんかも見てみたい。いつか行くぞNYやヨーロッパ……。日本でも再演があったら行きたい。というかDVDにして欲しい……!

ほんとこれなんですけど、一応毎日当日券が出るみたいなので!!行ける方はぜひ!!

www.youngfranken2017.jp

 

こちらが映画版。

小栗旬さんはルパン3世もかっこいいのでおすすめです。

lebeaujapon.hateblo.jp