物語のなかをぐるぐる廻る

すきなものをならべていく

『わたしのマーガレット展』を受けて、愛してやまない少女漫画を挙げてゆく

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展示自体には、最終日前日に滑り込むように行ってから、随分時間が経ってしまいました。「マーガレット」の50周年を記念した、ときめきの『わたしのマーガレット展』。

実感したのは、わたしは日本の少女漫画史のほんの最近の部分しか知らないんだなー、ということ。『エースをねらえ!』とか、もちろん存在は知っているけれどちゃんと読んだことはないなーってものもたくさんあったし、今も名前は知っている作家さんでもこの作品は知らない、ってものも大量にあった。年代順の紹介になってたから、最初の方の「わからなさ」は母親世代が女の子だった時代の空気でくらくらしたし、一方で、まだまだこんなに面白くて読んだことがないものがあるらしいってことにはわくわくした。昔のものでもどんどん発掘していきたい。

ホラー×少女漫画のコーナーとか、ひええって思いながら、そうだよな昔はこういうの多かったよね、って思ったり。今はあんまりホラーないと思うから、確実にブームがあって面白かった。昔の漫画って人間の業みたいなものとかまでぐっと入り込んだものが多くてホラーじゃないものもちょっと怖い。感動するけど重い。

今のマーガレットのきらきら感リア充感王道感とはちょっと違うように見えるものも多くて、ブームがひとをつくってるのかひとがブームを作ってるのか、なんて考えながら歩いた。

最後のほうの近年のコーナーは楽しかった! ほとんど見たことがあるものなのに、「これ懐かしい!」「好きだった!」「あれはあるかな?」ってテンション高く見て、あっという間に通り過ぎてしまった。一度揺さぶられたものはまたひとめ見ただけで揺れてしまって、物語の力は本当にすごい。

最後のコーナーにあった、一枚絵になるように10名の作家が直筆で書いた半透明の大きなガラス板が本当にすごくて、しばらく足が動かなかった。全員同じサインペンで書いたらしいけれど、同じ画材とは思えないほどそれぞれのタッチがいつもと同じで、よく知ってるわたしが愛しているものたちで、びっくりして、美しくて、2回も3回も前をうろうろと往復しながら飽きるまで見た。直筆のもの自体は何度か見ているはずなのに、こんなに力の強いものは初めて見た気がした。
めったにない機会を作家さんたちが楽しんでいるのもわかって、すごくすごく素敵だった。河原和音さん、ななじ眺さん、アルコさん、やまもり三香さん、椎名軽穂さん、森下suuさん、咲坂伊緒さん、あいだ夏波さん、八田鮎子さん、種村有菜さん。わーこんな人たちが揃ってるんだ、ってことを改めて目の前にして、「マーガレットってすごいなあ」って。

このガラス板の絵が載っていたから、迷わず図録を買ってしまった。この図録、普通に外でも販売したら売れたんじゃってくらい中身が濃くてすごい。あーやっぱりわたしは少女漫画を愛してるな、って思った2時間ほどでした。

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この図録が本当にすごかった、約260Pもあってオールカラー。それだけで価値ある。
ガラス板のページたった見開き1P分でもこれがすごく欲しくて買った。美しい……。

物販は図録の他にも色々あって、『日々蝶々』と展示自体のデザインの2種のクリアファイルと、色々入ってるポストカードを1種自分用に買った。『日々蝶々』は色彩がきれいだ……。本当は、進行形の作品では『ひるなかの流星』のグッズが一番欲しかったんだけど、ポスターしかなくて断念。実用的なものがあればなあ……!
自分用以外にも、母上にもお土産を買った。私が生まれて以降のたくさんの漫画も一緒に読んできたけど、いつも「一番はくらもちふさこ、『東京のカサノバ』と『いつもポケットにショパン』、捨てられちゃったのがすごく悲しかった」って言っていたから、グッズを見つけて嬉しかった。電子の時代になって、母親世代でもう見つけるのが大変になっていた作品もようやくわたしも読めて、母親ももう一度手に出来るようになって、それはすごくいいなぁとしみじみ思った。

そんな今年は、マーガレット50周年だけでなく、花とゆめも40周年だし、なかよしは60周年。
花とゆめ40周年記念WEBサイト | 白泉社
なかよし60周年|講談社コミックプラス

あー歴史長いなあ。わたしが漫画にはまるのが遅かったわけじゃなく、生まれるずーっと前からあったってことになんだかほっとした。展示で改めて歴史を見たら、「わたしの」マーガレット展って言うくらいだし、わたしもわたしの少女漫画を挙げてみたくなった。なかよしが投票による過去の人気作品の復刊をしているんだけど、候補作に大好きな作品が入っていなかったりして、でもわたしはこれが好きなんだよー!っていうもの。特になんのあてもないのだけど、列挙します。

 

夢幻伝説タカマガハラ
夢幻伝説タカマガハラ 5 (講談社コミックスなかよし)

夢幻伝説タカマガハラ 5 (講談社コミックスなかよし)

 

小学校時代に読んで一番愛してたのはこの作品だと思う。飽きるなんて言葉知らないみたいに何度も読みました。まだ実家にはコミックスがそろってるはずだけど、電子化されたらまた買いたい。

学園アリス
学園アリス 1 (花とゆめコミックス)

学園アリス 1 (花とゆめコミックス)

 

完結まで読めたのは本当に最近だったのだけれど、中学校時代はかなり好きだった。同じ時代に『フルーツバスケット』と『ひつじの涙』にもはまっていたけどわたしの中での一番はこれ。

彼氏彼女の事情
彼氏彼女の事情 1 (花とゆめコミックス)
 

尊敬している作品を挙げなさい、って言われたら絶対に5本の指に入る。最近電子で全部買いなおして読んで、内容知ってるのにしばらく頭を離れなかった。

君とひみつの花園
君とひみつの花園 (花とゆめCOMICS)

君とひみつの花園 (花とゆめCOMICS)

 

一番応援している作家さんはもしかしたら林みかせさんかもしれない。ずっと好き。直近の『うそカノ』がすごく人気タイトルになってうれしい。けど、その前のこれもすごくいいんですよ!!

ハチミツとクローバー

もうみんなそうだと思うけどこの方も尊敬してやまない。あの10巻にたどり着くためなら何度でも読みたい。

ひるなかの流星

連載はつい先日終了、単行本派なのでまだ読んでない……。絵がものすごくきれい。

赤髪の白雪姫
赤髪の白雪姫1 (花とゆめCOMICS)

赤髪の白雪姫1 (花とゆめCOMICS)

 

白泉社さん王道ファンタジー。すべてが美しくて真摯な作品。繊細で強い感じがとても好き。

さよならソルシエ
さよならソルシエ(1) フラワーコミックスα
 

『式の前日』ととても迷った。けど、キャラクターのデザインとか題材とかすべて含めてこっちに。

海月姫
海月姫(1)

海月姫(1)

 

この方は漫画を描くために生まれたんだろーなー、と思ってしまう、東村アキコせんせい……。蔵之助がかっこよすぎる。洋服のお話なのもあって、根本的な絵の美しさが際立っています。

神様はじめました

登場人物をみんなものすごく好きになる。巴衛は今世紀一番くらいにかっこいいです。伏線の張られ方がすごい。人に愛されるのには理由がいるわけで、そこがしっかりとしている作品が好き。

 

以上10点!全巻なくしちゃってもまた買いたいくらい好きなものたち。迷ったのは、完結の仕方が気になる『orange』、種村先生では一番好きな『満月をさがして』、ずーっと好きな南塔子さんの『360°マテリアル』、最近ではかなりヒットの『それでも世界は美しい』。あと、単発が多くてこういうときには選びづらいけど、作家さんとしては谷川史子さんと羽柴真央さん……。

たぶん割合としてはかなり集英社を点数多く読んでる気がするのだけれど、ずっと残ってるものは思いのほか白泉社占有率が高くて個人的には面白かったです。挙げてないけど、『花ざかりの君たちへ』とかも。現在進行形のときにハマっているかどうかと、思い返しても好きかどうかってまた違うし、数年後には結構入れ替わっている気もします。なんであれ、考えているだけですごくたのしかった。わたしのときめきの少女漫画。