俺マン2016を発表する
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今年も開催されました、俺マンガ大賞2016。
全体の集計はこれから発表されますが、個人的に選んだものを今年も少しばかり。
わたしの俺マン2016!どーん!
兎が二匹/山うた
— まるこ (@lebeaujapon) 2016年12月31日
カカフカカ/石田拓実
ダンス・ダンス・ダンスール/ジョージ朝倉
私の少年/高野ひと深
素敵な彼氏/河原和音
西荻窪ランスルー/ゆき林檎
ニュクスの角灯/高浜寛
カレは男とシたことない。/都陽子
高嶺と花/師走ゆき
おはよう、いばら姫/森野萌#俺マン2016
そして、これまではマイルール的にハッシュタグ含めて140字以内、ワンツイートでやってたのですが、今年から著者名を入れた分減ったので、おまけのもうワンツイート。
その他:
— まるこ (@lebeaujapon) 2016年12月31日
神様はじめました/俺物語!!/富士山さんは思春期/ハル×キヨ/ラストゲーム/高台家の人々/椿町ロンリープラネット/これは愛じゃないので、よろしく/取り急ぎ、同棲しませんか?/きっと愛してしまうんだ。/恋わずらいのエリー/人魚王子/応天の門/あげくの果てのカノン/恋のツキ
これ含めたら去年までより多いけど、それでも悩みました。今年読んだ漫画は全部で405冊。一昨年306冊、昨年321冊なので伸びてきてる。
今一番愛しい10作品
今年の1番は何と言ってもこれ。山うたさんの『兎が二匹』。
1度記事も書いてるけど、個人的に新作が豊作だった今年の中でも、本当に本当に良かった。一生殿堂入り。新作が豊富だったと言いつつ一番好きなのは「完結が美しい作品」で、この作品はどの場面を切り取っても完璧でした。終わってさらに美しくなる作品。ああ、いつかこの方と仕事してみたいな。
他の作品も素敵なものばかり。
見逃していて今年初めて出会った継続作品の『カカフカカ』は今一番続きを待っている作品。好きすぎる。ルームシェアすることになった家に行ったら昔の元カレがいて、その人と「添い寝」をすることになる、という話なのだけど、そのあらすじだけでは到底伝わらない気持ちの揺れがすごい。男女両方に勧められる少女漫画。
3番目に挙げたのはジョージ朝倉さんの『ダンス・ダンス・ダンスール』。この方はなんでこうも、人が一番きらめく瞬間を描くのが上手いんだろう……! 才能に引きずられてしがみついて生きる人たちの物語。実は今年初めて最後まで『溺れるナイフ』を読んで、これが傑作すぎて度肝を抜かれていたのだけど、そこから何年も経って今描かれてるものがこれなんだと思うとくらくらする。
4番目に挙げたのは『私の少年』。アラサー女性と、赤の他人の小学生の少年との補完関係のような話。おねショタに分類されやすいと思うけど、そんな軽い萌えワードでは説明がつかない繊細さ。これはなんだか新ジャンルな気がする。
少女漫画の新作の中で一番好きだったのはダントツで『素敵な彼氏』。タイトルがシンプルすぎて、女子高生が恋してときめいてって話かなと思っていたら全然違った。誰かを好きになるとかなってもらうってどういうことだっけ、というお題を扱うものは数多くあるのに、どれにもなかった柔らかでピュアな空気感で、おまけにきゅんとさせてもくれるし続きも気になる。ヒーローがあんまり見ないタイプで素敵。
お仕事もので今一番好きなのは『西荻窪ランスルー』。高卒で大学進学を蹴ってアニメーターになる女の子の話。主人公は女の子だけど、周りで働く大人たちの葛藤も出てきて、すごくいい。何年も働いてると目的とか自分が何してるのかとかわからなくなることもあるけど、それでも目の前のものを少しでもよくしたい。仕事ってやっぱり戦いだな。
異色なのは『ニュクスの角灯』。これはとにかく中身の細かさというか、少し前の時代の日本にあった珍しいヨーロッパの品々や骨董品なんかがたくさん出てきて、その暮らしぶりやものたちが本当に素敵。1話ごとに丁寧に描かれてるコラムページもそれだけでフリーペーパーみたいなおしゃれさで、ずっと眺めていられる。マツオヒロミさんの『百貨店ワルツ (リュエルコミックス)』とかが好きな人に本当にお薦めしたい。
自分でも驚いている唯一のBL、『カレは男とシたことない。』は大好きな都陽子さんの作品で、『カレは女とシたことない。 (Feelコミックス)』のスピンオフ。普段BLはよほど話題になったもの以外は読まないのでこういうランキングに入れる日が来るとは思っていなかった……! 『女と〜』の方を先に読むことを圧倒的にお薦めしたいのだけど、このスピンオフも、相手のことを考えて、距離を少しずつはかっていく様子が素敵。この方の感情の描き方がものすごく好きだ。
あとは継続の少女漫画より、『高嶺と花』と『おはよう、いばら姫』を。『高嶺と花』は、御曹司と女子高生というある種の定番設定なのだけど、御曹司が同じ学校にいるわけではなく社会人で、なのに女子高生の方が基本的に立場が上という(笑)すごく楽しい展開。二人のキャラクターがものすごくいい。読むとめちゃくちゃ元気になります。
『おはよう、いばら姫』は特殊な事情で家にほぼ閉じこもっているお嬢様と家政婦として派遣された主人公の話なのだけど、毎巻毎巻、どこかで泣きそうになってしまう。絵も綺麗で、読み終わったあとじんわり「あー今回も良かった」って思う。最近話が動いてきたので、今後が楽しみ。
なんだか2016年は、いつもよりも一層繊細な気持ちの変化を描いているものに惹かれたかもしれない。ただ、本当はまだまだまだまだ紹介したいものがあって、以下は、収まりきらなかった作品たち。
完結作品たち
長く続いてきて雑誌の顔になっていた少女漫画の完結はなんだか寂しいけど、大抵がハッピーエンドなので、めちゃくちゃ幸せでもある。完結の仕方がすごく良かったのは『俺物語!!』と『ラストゲーム』。ああまた読みたい。『神様はじめました』は最初から最後まで大好きすぎたのでいつかがっつり語りたい。『ハル×キヨ』もずっと明るい気持ちで楽しく読める作品で大好きだった。オザキアキラさんはもう新作も始まっているのでそっちも楽しみ。青年漫画では、記事も書いた『富士山さんは思春期』が良かった。いつまでも見ていたかったけど。
安心をくれる少女漫画
今年好きだなあと思った少女漫画はホッとさせられるものが多かった気がする。なんかみんなどこか変だったり、苦労していたり、辛いことがあったりして、だけど誰かと出会って、安心する話。その主人公たちの動きに合わせて、一緒にホッとさせられていた。こんな風に幸せなことがあったらいいな、と純粋に思える、ある意味正統派少女漫画。
『高台家の人々』は、妄想ばっかりしている女性が主人公。妄想とか天然な人がちょっと苦手なのに、全然イライラしないし笑ってしまって、その彼女がなぜ相手に求められたのかがわかってしまうので、それがすごくいい。なぜかわからないけどモテちゃった!っていうんじゃなくて、ちゃんといいところがわかると安心する。
『ひるなかの流星』が大好きだったやまもり先生の新作『椿町ロンリープラネット』も可愛くて好き。この方の絵は服とか髪の留め方とかまでおしゃれで大好き。『これは愛じゃないので、よろしく』は大好きな湯木のじん先生の新作。愛がどうのとか言ってる女の子をウゼーってバカにしてた男の子の方がジタバタしてるのが面白い。
『取り急ぎ、同棲しませんか?』は今一番シンプルにきゅんとする作品!年下男子がとにかく押せ押せで来るという夢のようなシチュエーションで、いいんですこれは夢でも。こんなこと現実にはそうそうないけど、見てるだけで楽しいから大満足。同じく同居もの『きっと愛してしまうんだ。』は会社の同期同士。相手の気遣いや温度の感じ方の表現が一井かずみ先生は素敵。前作より圧倒的に好み!
『恋わずらいのエリー』は妄想が止まらずtwitterで妄想恋愛アカウントを作っているという現代的な設定。なんとそのtwitterまで実際に用意されてる。一見変態な女子だけど、ときめきの部分は本物だからすごい……。ギャグになりすぎてなくて好き。
頭から離れなくなる青年漫画
今年も好きな青年漫画もたくさん。何と言っても一番話題になったのは『あげくの果てのカノン』。不倫×SFというぶっ飛んだ設定で、主人公のかのんが「先輩」を好きすぎるストーカーなのがネット上ですごく話題になったけど、SF部分もしっかり先が気になる感じで、目が離せない。
恋愛模様という意味では『あそびあい』に続いてヒリヒリする恋を描いている新田章さんの『恋のツキ』。だらだらと付き合っている彼氏にときめきを感じないけど、年齢的にはその人と結婚した方がいい。でも、学生の男の子にときめいてしまって……という出口が見えない感じ。絶望を感じる! アラサーでざっくり傷ついてしまう人もいるのでは……。笑
大好きな尾崎かおりさんの新作『人魚王子』はちょっと不思議な出会いを描いた傑作短編集。前作の『神様がうそをつく。 (アフタヌーンKC)』とはまた違うミステリアスな雰囲気で、もっといろんな作品を読んでみたくなった。
最後は一番応援している作品の『応天の門』を今年も。菅原道真と在原業平のタッグ。読めば読むほど道真を好きになる。去年のわたしの俺マン1位にしたのだけど、継続中の今年も面白かった。それでいうと去年2位にした『波よ聞いてくれ』もめちゃくちゃ面白くて信じられないほど面白くてすごかった。
全体の投票はどんな感じになるだろう……!発表は来週14日。楽しみ。
2017年もたくさんの面白い漫画に出会えますように!